【新聞チェック】政権批判のキャリア官僚をクビへ、経産省が「退職打診」と毎日がスクープ - BLOGOS編集部

2022年3月30日 0時0分

※この記事は2011年06月25日にBLOGOSで公開されたものです

　21日にBLOGOSチャンネルの生放送に招いたキャリア官僚・古賀茂明氏（55）を、経産省が退職させる意向を固めたと報道された。25日付けの毎日新聞がスクープした。
　
　古賀氏は東大法学部を卒業。1980年、通商産業省（現・経産省）に入省した。政策課長などのポストを歴任し、カネボウやダイエーなどの経営再建にも関わってきた。政権交代前の08年に、国家公務員制度改革推進本部の審議官に着任。「天下り規制の強化」「事務官の廃止」などを提案したが、他の官僚の猛反発で退けられ、09年12月から待機ポストの大臣官房付となっていた。

　民主党政権の公務員制度改革や、福島原発事故を巡る政府対応を厳しく批判しており、5月には『日本中枢の崩壊』を発表。BLOGOSチャンネルの生放送の中でも「（民主党政権には）政治主導をするだけの十分な能力がなかった」と指摘していた。

「内部告発」が引き金か

　
　毎日新聞は、古賀氏を退職させる方針が24日に固まったと報道。その経緯を、以下のようにレポートしている。

古賀氏は東京電力福島第１原発事故を受け、電力会社が猛反発する「発送電分離」などの電力改革を唱えたほか、５月２０日に出版した著書で、事故を巡る政府の対応を批判しており、現職官僚による「内部告発」が引き金となった可能性が濃厚だ。

関係者によると、松永和夫経産事務次官が同日、古賀氏に７月１５日付の退職を打診した。古賀氏は「あまりに性急だ」と回答を留保しているという。

　古賀氏は現役官僚の中では珍しく、率直な政府批判をすることで知られている。昨年10月には、民主党が進める公務員制度改革に関して「非常に問題だ」と参院予算委員会で証言。仙谷由人官房長官（当時）が「はなはだ彼の将来を傷つけると思います」と異例の警告を発したことで、「古賀氏に対する恫喝に当たるのでは？」と各界の議論を呼んだほどだった。
　
　古賀氏は「官僚が自由に意見を言えない風潮はおかしい」として異議を唱えてきていた。BLOGOSチャンネルでの池田信夫氏との対談では、以下のように話していたが、逆に霞が関の反発を招いたようだ。