※この記事は2011年06月22日にBLOGOSで公開されたものです

　東京新聞の加藤寛太記者のスクープだ。22日付けの同紙朝刊の社会面に「ネットカフェ個室はダメ!!」という記事が載っている。終電を逃したサラリーマンや、定まった住居を持たない人によく利用されるネット喫茶は、PCの周囲に仕切りをすることで個室のように使える。周囲の人に気兼ねせずに利用することができ、プライバシーに配慮された作りだ。しかし今年4月、警察庁は「風営法の許可がない場合は違法」として、全国の警察本部に指導を強めるように指示したという。これを受けて、大阪府警は4月、5月と続けて、指導に従わなかった大阪市内の店舗を同法違反容疑で摘発している。
　
　風営法では「内部が見えない5平方メートル以下の個室で、客に飲食物を提供する店舗は許可が必要」と定めている。許可を受ければ営業可能だが、今度は午前0時以降の深夜営業ができなくなる。ネット喫茶業界にとっては、まさに「痛し痒し」と言ったところだ。

「児童買春に悪用」と警察庁


　
　この記事によると、「犯罪の温床になっている」というのが警察庁の見方だという。
警察庁は「児童買春やわいせつ事件の捜査で実際にネットカフェの個室が悪用されたケースがあった」と一歩も引かない構え。
　一方で、ネット喫茶を運営する人々の間では戸惑いの声が広がっている。
都内でネットカフェのチェーン店を営む会社の役員は「席の九割は個室だ。個室、深夜営業、飲食のどれか一つでも欠ければ、客のニーズに応えられなくなる」と困惑気味だ。
チェーン店の役員は「個室の扉を透明にしたり、仕切りの高さを目線より低くしたりして対応するつもりだが、費用はかかるし、何よりプライバシーを重視する客足への影響が気掛かりだ」とした上で「われわれだけが狙いうちされているのでは。最近はやりの個室居酒屋も理屈は同じはず」とぼやいた。
　今年に入っても義援金詐欺や、他人へのなりすましなど、ネット喫茶を舞台にした犯罪が跡を絶たないのは確かだが、規制が強くなりすぎて、一般利用者へのサービスが低下しないことを祈りたい。

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・ネットカフェ個室はダメ！！　警察庁「児童買春の温床に」 - 東京新聞(TOKYO Web)
・「個室で飲食提供」ネットカフェ摘発 - MSN産経ニュース
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 - 法令データ提供システム