最先端のAI技術が集結した「AI・人工知能EXPO」レポート ブレインテック/チャットボット/画像解析AI

写真拡大 (全23枚)

「第6回 AI・人工知能EXPO【春】」が、2022年5月13日(金)まで東京ビッグサイトで開催中だ。「NexTech Week2022」のひとつとして開催されていて、同時開催として「ブロックチェーンEXPO」「量子コンピューティングEXPO」「デジタル人材育成支援EXPO」も行われている。



「AI・人工知能EXPO」など「NexTech Week2022」は東京ビッグサイトの「南」棟で開催されている
総出展者数は250を超えていて、日本の最新DXの最前線を一度に見るチャンスとなっている。商談型の展示会のため、来場チケットは5,000円。事前登録で無料になるので、参加予定のある読者は早めに登録しておこう。



同じエリアで「AI・人工知能EXPO」と「量子コンピューティングEXPO」を開催


会場を俯瞰した様子。実際には「AI・人工知能EXPO」のエリアがほとんどを占め、「量子コンピューティングEXPO」はほんの一部となっている

●見どころの一部をピックアップ

「AI・人工知能EXPO」にはどのような出展があるか、簡単に写真とともに見ていこう。

●文章要約サービス「タンテキ」

文章要約サービス「タンテキ」のブース。長文の文章を自然言語処理AIを使って要約するWEBサービスを展開する。スマホが主流になって、長文を読むのはおっくうだし、サクッと内容を理解したいというニーズは高まるばかり。文章要約サービスは今後も求められる分野だろう。課題はマネタイズだ。



文章要約サービス「タンテキ」のブース https://ai-tanteki.com/

●アノテーション支援「harBest」(ハーベスト)

AI・人工知能開発で時間と手間のかかる学習データ作成を 低コスト・高品質に作成するサービス。企業からAI学習用のデータの分別やラベル付けなどのアノテーション作業を請負い、その作業を個人(一般の人)が更に請け負ってポイント収入を得るサービスを展開している点が面白い。こましくみの結果、アノテーション作業の効率化とコスト削減を図る。



ハーベストの展示ブース https://harbest.io/

どのようなデータをアノテーションするかについては、解りやすい例としては、犬とネコの画像を分類してラベル付けを行ったり、リコーの例ではたくさんの部屋の画像の中から窓をマウスで囲って指定することで、AIが窓の位置をパターン学習していくなどが掲げられていた。



■harBest(ハーベスト)イメージムービー:



●NVIDIA GPU「菱洋エレクトロ」

菱洋エレクトロはNVIDIAのGPUラインアップを展示、紹介。ロボスタ読者にとって気になる「NVIDIA Jetson AGX Orin」(開発者向けキット)はオーダーが多く、入荷がまだ安定していないため、現在は3〜6ヶ月待ちとのこと。



NVIDIA関連機器を展示する菱洋エレクトロのブース


最新の「NVIDIA Jetson AGX Orin」(開発者向けキット) https://ryoyo-gpu.jp/products/jetson/



●「DATAFLUCT」13のAIサービスを展示

データフラクトはデータとサイエンスの⼒で社会課題を解決することをミッションとしたデータサイエンス・スタートアップスタジオで、JAXAベンチャー。衛星データなどの活用を得意とする。今回はAIを活用した13のサービスを展示し、「もはや解決できないサービスはない」とキャッチコピーが踊る。製造業やインフラの外観検査、CO2の予測、小売店の出店売上げ予測など、なるほど幅広い。



DATAFLUCTの展示ブース https://datafluct.com/


例えば、CAPTAIL Locaterは小売店が出店すべき場所をAIによって30分で解析するシステム。コンビニ(ミニスーパー)の「まいばすけっと」は出店する際に、このシステムを活用して売上げ予測を行っているという。人口動態や人流、地域の男女比率、売上げ予測やその要因、時間帯、競合他社の売上げスコアなどを見える化してAIによる解析するという。



無数にある「通り(道路)」の中からどこに出店すべきかをAIが数値で提案する。「まいばすけっと」も活用している

●AIとDXソリューション「NEC」

NECはAIとDX、DX人材育成をテーマにソリューションを紹介。



●画像解析AI「カタリナ」

カタリナは画像認識AI技術を中心に、建設業界、医療や介護業界、エンターテインメント業界などに提供している。今回の展示ではAIを使った骨格推定(ポージング解析)、表情の分析(感情分析)、テレビ局で採用されている自動モザイク加工技術などを展示。



カタリナの展示ブース https://www.catalyna.jp/



自動モザイク加工技術はニュース映像などで、車のナンバー、街を歩く人々、社名やロゴなどが入った看板など、特定のものを自動でモザイク処理する映像技術だ。



自動車のナンバーを自動で検知してモザイク(ボカシ)加工を行うシステム

●ブレインテックAI「マクニカ」

マクニカは「ブレインテック」を展示。脳の活動から集中力や感情を読み取り、様々なユースケースに活用する事例を紹介。



脳波を読み取る様々なブレインテック・デバイス


ブレインテックとドライビングを組み合わせたソリューションのデモ。集中力を測定することができる

●チャットボットとボインスボット「CAT.AI」

CAT.AI (TOMORROW NET)はチャットボットとボイスボットの最先端技術を紹介。現状のチャットボットは会社側の視点だけで作られているため使いづらく、ユーザー視点を取り入れるだけで、使い勝手はまったく異なるものになる、と紹介。



CAT.AI (TOMORROW NET)の展示ブース、奥にデモコーナーがあり、チャットボットとボイスボットが体験できる
ステージでは、「パスワードを忘れた」という問合わせの回答するチャットボットの悪い回答例を紹介。回答では、パスワードを変更するホームページのURLアドレスを掲示し、アクセスした後にIDや生年月日を入力するよう手順を解説することで、会社側は解決できると信じている点が間違いと指摘。ユーザーにとっては別のブラウザアプリでURLにアクセスしたり、ここで案内されているIDや生年月日を入力手順を覚えないといけないなど、複雑で結局パスワードの変更にたどりつけないパターン。これではチャットボットは嫌われるとした。



「パスワードを忘れた」という問合わせの回答するチャットボットの悪い回答例。パスワードの変更の仕方を案内したURLを掲示し、IDや生年月日を入力するよう手順を解説することで、会社側は解決できると信じている点が間違い
「パスワードを忘れた」という問合せには、ユーザーはパスワードを変更したいというニーズに応えるのが役目、として、チャットボットのアプリでそのままパスワードの変更作業を行えるようにすれば、ユーザー視点のシステムが構築できるとした。



ステージの奥では体験コーナーが設けられ、多くの人がチャットボットやボイスボット(声で応答)を体験していた。筆者もボイスボットを体験したが、スマホのカメラ機能を併用したりしてとても快適な会話体験ができた。



第2回につづく「最先端のAI技術が集結した「AI・人工知能EXPO」レポート(2) 画像認識AI/自動吹き替えAI/文字起こしAI

イベント開催は5月13日(金)17時まで。
>:
【無料】入場チケットを申込む