家時間が増えた昨今、少ないものの量ですっきりと暮らすことに憧れている方も多いのではないでしょうか。Instagramで3万人のフォロワーをもつMomokaさんは現在、北欧式整理収納プランナーの資格を活かしながら平家ですっきり暮らしを実現しています。そのゆったりとした空間の使い方からは生活の余力が感じられるのですが、じつは彼女がこのゆとりあるすっきり暮らしをし始めたのはつい数年前のこと。以前は持ちものが多くすっきりとした暮らしとはほど遠い生活をされていたそう。ものが多い部屋からものの少ない部屋に転じた理由やきっかけをはじめとし、北欧式整理収納の特徴や理想の家に仕上げるポイントなどさまざまなお話を伺いました。ぜひ、すっきり暮らしのコツをご自身の暮らしに取り入れてみませんか?

ものであふれた家から一点、平屋すっきり暮らしへ

整理収納の観点からは普通に生活していくにはひとりあたり平均1,500点のアイテムがあれば何不自由なく生活していけると言われています。単純計算をすると夫婦ふたりで3,000点。3人家族で4,500点ものアイテムが家の中に置かれているということになります。ものの多い家にはこれ以上のアイテムが置かれているわけですが、これだけ膨大な量を管理するのはとても大変。Momoka(@_____m.casa)さんに伺いました。

 

●ものであふれた家。かつては日常だった

「私は服やバッグ、靴が大好きで私ひとりの分だけでウォークインクローゼットがいっぱいになってしまうくらいの量を持っていました。さらに、毎年冬になると平均4着くらいのペースでコートを買いたしていました。そうやってファッション関連のアイテムがどんどん増え続けていました」

服やバッグ、靴などオシャレなアイテムに目がないというMomokaさん。以前は数えきれないくらいの服やファッション小物を持っていたそうです。そしてMomokaさんの夫もまた、これまでに集めた漫画や本が捨てられず、合計800冊くらいの大量の本を所有していたそう。ジャンルは違えど、お互いに趣味のアイテムを大量に所有していたことで家の中の物量が多くなってしまっていたのですね。

ほかにもお皿や調理器具などはそれほどではなかったものの、それでもお互いがひとり暮らしをしていた頃から使用していたものがいくつもあり、それなりにスペースが占領されていました。

●SNSですっきり暮らす人たちを見て決意

家を建てる話が具体的になってきた頃、理想の家にするためにはどのような間取りがいいのかについてのイメージを固めるためSNSを頻繁にチェックするようになり、そこであることに気づいたと言います。そう、それが“家の中にある物量の違い”だったのです。

「オシャレな生活をしている皆さんの家にはものがあまり置かれておらず、物量がうちとは大違いだと思いました。私もこんなふうにミニマルに暮らしたいという思いが日に日に大きくなっていきました」

余裕の感じられる整った暮らしを謳歌しているインフルエンサーの方々への憧れからスタートしたMomokaさんの平家すっきり暮らし。ご自身の中にある理想を具体的に掴んだMomokaさんは、憧れの方の暮らしぶりを参考にしたり、整理収納のコツなどをインターネットで調べて要らないものを処分することにしました。

 

●ものを上手に処分したら、生活の質が上がった

ごちゃごちゃとものであふれた家からは、どうしても生活感が漂ってしまいます。まるでモデルルームのようなオシャレですっきりとした部屋をつくるためには、まずものを持ちすぎないこと、そして不要なものは手放すことを意識するところから始めてみるとよいかもしれません。

「“いるもの”と“いらないもの”を選別するのは比較的早い方なので、使わないものは思い切ってどんどん処分していきました。新居のテイストに沿わないものは潔く処分。ゴミに出したものも多かったのですが、服などはリサイクルボックスを活用することも多かったですね。こうすることでものを手放すことへの罪悪感がほんの少しですが薄れた気がしました」

フリマアプリを利用することも考えたそうですが、いつ売れるかもわからないものを売れるまでずっと持ってしなければならないことはストレスになると感じたため、今流行りのフリマアプリを利用することはほとんどなかったそう。ものを処分するというのはそれなりに大変で、ある程度のストレスがかかる行為です。だからこそ罪悪感を減らしつつものを手放すことが肝心なのですね。ストレスを最小限に物を減らすコツは、自分の性格や向き不向き、状況などに合わせて物を手放す方法を探ることにあると言えそうです。

 

●ものが減ると時間と気持ちにも余裕が出る

また、ものを処分したことで以前よりも時間を有効に活用できていることに気がついたというMomokaさん。

「服を最低限まで絞ったことで、朝の貴重な時間を無駄にせずにすむようになりました。今でも服は大好きで、好きなショップからDMが届いたりするとつい欲しくなってしまいます。ですが、それでも『今日の服のコーディネートはどうしよう?』『着てみたけど、なんかイメージと違うかも…もう一回着替えなきゃ』と悩む時間を取られずにすむ今のスタイルのほうが楽なんです。毎朝の服選びにかける労力は、私にとっては結構なストレスだったのだと実感しています」

ものをため込むことにより、私たちはいつの間にか時間も気持ちもすり減らしてしまっているのかもしれませんね。

 

●自分や家族にとって「幸福度が増す」生活を目指して

Momokaさんの行動は、夫の意識も変化させます。彼も整理収納の本を読んで整った暮らしをするための方法を学び、約800冊あった本や漫画を半分程度にまで減らしました。

手元にあるものを処分するのはなかなか勇気のいることですが、もしまた必要になったらそのときに買い直せばよいとMomokaさんから言ってもらったことで決断できた部分も大きかったそうです。

「仕事が忙しくなり、ただ持っているだけで読んでいない本もたくさんあったんです。中には古く汚れているものもあり、キレイな新居には持ち込みたくなかったのでタイミング的にもよかったと思っています」

また、お子さんがもう少し大きくなったら一緒におもちゃの選別を行いたいと話すMomokaさん。

「“たくさんのものを持っていることが幸せなのではない”ということを教えていきたいです」というフレーズが心に響きました。

 

家を建てたことが、家族の幸福のかたちを探るきっかけとなったMomokaさんご家族。初めはSNSで出会った整った暮らしに憧れて、人気のインフルエンサーの暮らしぶりを真似をするところから始まったすっきり暮らしですが、今では家族みんなで充足感を覚えるかけがえのないライフスタイルになっています。家というのは家族がゆっくりと寛げて、そして心からリラックスするための空間であるべきなのではないでしょうか。

足るを知るは富む。Momokaさんの暮らしぶりを見ていて、そんな言葉を思い出しました。