フィリピン 傑作ヘリ「ブラックホーク」を一挙32機調達へ 生産はポーランドで
追加調達分が納入されると陸自の同型機の数を上回ります。
前回分の倍の数を一括契約
フィリピン空軍は2022年2月22日(火)、同国国防省とポーランドのPZLミェレッツ社のあいだで、S-70i「ブラックホーク」ヘリコプターに関する売買契約が交わされたと発表しました。
契約は首都マニラ市内にある軍施設キャンプ・アギナルドで行われたとのこと。ここにはフィリピン国防省のほか、軍総司令部なども置かれています。式典では国防省トップのデルフィン・ロレンツァーナ長官とPZLミェレッツのヤヌシュ・ザクレッキ社長が署名した契約書を交換し合いました。
フィリピン空軍が運用するポーランド製のS-70i「ブラックホーク」ヘリコプター(画像:フィリピン空軍)。
S-70iヘリコプターは、軍用のUH-60「ブラックホーク」ヘリコプターの民間仕様で、ポーランドのPZLミェレッツ社ではロッキード・マーティンの許可を得てノックダウン生産しています。
フィリピンはすでに2020年11月から2021年12月にかけて計16機のポーランド製S-70iヘリコプターを導入しており、フィリピン軍の作戦能力を大幅に高めることに寄与しています。
人道支援や災害派遣などでもその高い能力がいかんなく発揮されていることから、フィリピン国防省は追加導入に踏み切ったようです。今回の調達数は32機で、総額は6億2400万ドル(1ドル115円換算で約717億6000万円)とのこと。なお、この契約にはパイロットや整備士の教育訓練費用やロジスティクス支援なども含まれるそうです。
ちなみに、S-70/UH-60「ブラックホーク」は日本や韓国、台湾、中国なども導入・運用しており、三菱重工や大韓航空航空宇宙事業本部などでライセンス生産しています。
※脱字を修正しました(2月26日10時05分)。