ベースは海保の新鋭くにがみ型 フィリピン向け最新巡視船 マニラへ向け離日
2番船は5月に回航される予定です。
命名&就役は2022年5月の予定
海上保安庁は2022年2月22日(火)、フィリピン運輸省向けに建造された多目的対応船(Multi-Role Response Vessel:MRRV)が前日、2月21日にマニラへ向け出港したと発表しました。
同船はフィリピン沿岸警備隊において、荒天時の救難活動や周辺海域における巡回業務などに用いるため、三菱重工下関造船所江浦工場で造られたもので、5月に命名および引き渡しが行われるといいます。
フィリピン向け多目的対応船の1番船(画像:海上保安庁)。
建造に際してベースとされたのは、海上保安庁のくにがみ型巡視船で、船体サイズは全長約96.6m、幅約11.5m、深さ約5.2m、総トン数は約2260トンあり、乗員数は67名です。
最大速力は24ノット(約44.45km/h)、4000海里(約7400km)以上の航行能力を有するほか、排他的経済水域(EEZ)を監視する能力を持つ通信設備や、ヘリコプターの発着艦設備、遠隔操作型の無人潜水機、高速作業艇など、海洋状況の把握と海事法の執行活動に必要な装置や機器を装備しているそうです。
なお、出港に際しては第七管区海上保安本部の本部次長と、モデルシップとなった巡視船くにさき船長が見送り、ご安航を祈念したとのこと。
今回の建造プロジェクトは、2016(平成28)年10月にフィリピンと日本とのあいだで締結された「フィリピン沿岸警備隊海上安全対応能力強化事業(フェーズII)」に基づく円借款事業で、2番船についても5月にマニラへ回航し、9月に命名・引き渡される予定です。