スカイマークの公式Twitterがハッシュタグに乗じ、「スカイマークは"LCC"ではありません」と投稿。フォロワーからは「これほんと勘違いしている人多そう」といったリプライが飛んでいます。LCCとはどのような差があるのでしょうか。

和製LCCは2012年が元年に

「スカイマークは"LCC"ではありません」の文言を重ねること5回――航空会社スカイマークが2022年2月24日(木)、公式Twitterアカウントで「#大事な事なので5回言います」のハッシュタグに乗じ、このような投稿を行いました。


スカイマークの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 一般的にはこのLCC(ローコストキャリア)という言葉、「格安航空会社」と略されます。日本であればJAL(日本航空)やANA(全日空)といった老舗系の航空会社「フルサービスキャリア」と比べると、とても手頃な運賃設定が最大のセールスポイント。

 その一方でLCCでは、フルサービスキャリアと比べると1席あたりの前後左右の座席幅は狭めに。追加料金なしで受けられる機内サービスは必要最低限に留められるほか、フルサービスキャリアと比べると、無料で手荷物を運べる量もごく少量に限られます。

 日本では2012(平成24)年からピーチやジェットスター・ジャパンなどが”和製LCC”として運航開始。同年が”LCC元年”とされました。2022年現在では、先述の2社のほか、国内・中国地方の国際線を運航するスプリング・ジャパン、中長距離国際線を運航するZIPAIRが、国内では、このLCCのカテゴリに入ります。

 一方、スカイマークは、いわゆる「フルサービスキャリア」でも「LCC」でもない、後発系航空会社のひとつ。これは「MCC(ミドル・コスト・キャリア)」とも称されます。

スカイマークはLCCとどう違うのか?

 スカイマークの運賃は「フルサービスキャリア」より安価、LCCよりは高価な価格帯です。ただ機内サービスはフルサービス国内線とおおよそ同クラスとなる前後幅31インチ(約79cm)の座席間隔が採用されているほか、LCCでは有料オプションとなる事前座席指定、受託手荷物(カウンターで預ける荷物。20kgまで)サービスも無料対応。機内では、コーヒーとキットカットなども無料提供されています(その他ドリンクは有料)。ちなみに、スカイマークの設立は1996(平成8)年。“LCC元年”より16年も前です。


LCC、ピーチ「エアバスA321LR」の客室。LCCでもシート間隔の広さをウリにした最新鋭機だ(画像:ピーチ)

 ただ、一方で「JAL・ANA以外はLCC」といった認識をしている人もまだ多くいることも事実で、今回の公式アカウントのツイートも、このような潮流に異議を唱えるものだったと見られます。このツイートを読んだフォロワーからは、次のような反応がみられました。

「これほんと勘違いしている人多そう」
「勘違いしている人が多いのが、めっちゃコスパ良いからなんだろうね」
「新興の航空会社はなぜかLCCに分類されることありますよね」
「キットカット配ってくれるのに」
「本当ごもっともなんだけど、公式さんがツイートしているの本当に面白い」

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 なお、このMCCというカテゴリにはスカイマークのほか、AIRDO、スターフライヤー、ソラシドエアといった会社が並びます。これらの会社も「フルサービスキャリア」よりリーズナブルな価格帯としながら、20kgまで受託手荷物サービスに無料で対応し、座席の広さや間隔もフルサービス国内線並み(スターフライヤーのようにそれ以上の座席間隔を持つ会社もある)とし、無料のドリンクサービスを提供するなどの共通点があります。