【2021年人口移動を読み解く】東京から本当に若者は減ったのか?
2021年の1年間に日本国内を移動した人(日本人・外国人)の全体像としては、大きく3つの区分で移動数が発表されています。
都道府県間を移動した人:247万6,640人※都道府県またいで住所を移した人 都道府県内を移動した人:277万1,104人
※都道府県(東京都特別区部および政令指定都市含む)の区域内で住所を移した人 市区町村間を移動した人:524万7,744人
※市区町村をまたいで住所を移した人
前年2020年との比較では、都道府県間の移動数が増加しています(前年比12,648人増加)。
出入りする人が最も多いのは東京都
都道府県間の移動者を都道府県別に見ると、転入者・転出者とも東京都が最も多いです。
東京都への転入者数:420,167人 東京都からの転出者数:414,734人転入者から転出者をマイナスした転入超過数は、5,433人です。
前年2020年との比較では、転入者は減少(12,763人)しています。
年齢別の都道府県間移動
都道府県間の移動者数を年齢で区切ったデータもあります。
移動者数が多い年齢は、多い順に
22歳:177,942人 24歳:131,256人 23歳:120,011人 25歳:118,155人 26歳:108,834人となっています。
2020年との比較では、移動が最も増加しているのは24歳(5,801人増加)、次いで18歳(4,904人)、26歳(4,659人)となっています。
東京圏、東京都、東京23区の移動状況
東京都の転入超過は2年縮小
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の「東京圏」は、いずれも転入が転出より多く、4都県合計で81,699人の転入超過です。
東京都5,433人、神奈川県31,844人、埼玉県27,807人、千葉県16,615人です。このうち、東京都は2年連続で、転入超過の数が減っています。
東京23区では25年ぶりの転出超過
東京23区の「東京都特別区部」では、転入より転出が上回り、14,828人少なくなりました。日本人に限ると1996年以来25年ぶりに7,983人の転出超過となったこととなります。※
※住民基本台帳人口移動報告は、2014年8月結果から日本人移動者に加え,外国人移動者を含めた移動者の結果を追加
上記2つのデータは首都圏および東京都特別区部の直近8年の推移ですが、より長い期間、1955年からの推移が「東京圏」の区分であります。
それを見ると、東京圏ではバブル崩壊後に一時的に転出超過となっていますが、そのあと2000年代は転入超過が続いていることがわかります。
東京23区、年齢別の状況
次に、年齢で区切ったデータを見てみます。年齢を3つの区分にまとめたデータでは、15歳~64歳の区分では、東京23区の「東京都特別区部」が全国で最も転入超過数が多く、19,293人となっています(日本人移動者)。
外国人を含んだ数でも、13,018人の転入超過です。
さらに年齢を細分化した、5歳区切りにしたデータを見てみます。すると、15歳~19歳で8,027人、20歳~24歳で49,656人、25歳~29歳で10,673人の転入超過となっています(日本人移動者)。
家庭を持ち始める世代であろう30歳~39歳の転出は目立っていますが、大学生または社会人の若年層では転入超過になっています。
単身世帯の住居ニーズ
若者の多くは賃貸住宅に暮らすため、東京23区のニーズは変わらずあると言えるのではないでしょうか。単身世帯が暮らすワンルームマンションの需要はあると言えそうです。
2020年から影響が出続けているコロナ収束後にも、変化があることが予想されます。
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