「ナメたことしやがって!」西武ナインが楽天・星野監督に怒りをあらわにした日一、橋上秀樹氏とデーブ大久保氏が語る

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 現役時代、ヤクルトなどで活躍し、引退後は楽天、巨人、西武、ヤクルトさらには侍ジャパンでコーチを務め、現・BCリーグ新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ監督の橋上秀樹氏と西武、楽天でコーチ、監督を務めたデーブ大久保氏が常勝軍団・西武の強さの秘密を語った。

現在橋上氏がおこなっているYouTubeチャンネル「橋上秀樹アナライズTV」で大いに語った。

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西武ナインの目の色が変わる瞬間


2012年、デーブ大久保氏が楽天・星野監督の下で一軍打撃コーチを務めていたときのある試合の話だ。大粒の雨が降り、降雨コールドが予想される展開の中、試合は楽天が西武に大量リードを奪い、勝っていたという。その時星野監督から「デーブ、早打ちさせ!成立さすぞ!」と言われたが、デーブ大久保氏はこう反ばくしたという。

「元ライオンズなんで言わしてもらいますけど。それをやるとあいつら本気になるんですよ。怪しい展開になるの僕は目に見えているんです」と必死に訴えたという。

同氏は08年、西武で一軍打撃コーチを務め、チームを日本一に導いた。西武ナインの力量、試合に賭ける気持ちの強さは人一倍、感じていた。

それでもやれという星野監督に了承し、裏で選手1人ずつに伝達していったという。

その時の状況を大久保氏はこう語る。

「(楽天の)高須だけが間違ってヒット打っちゃったんですけど(楽天ナイン)みんな本当に必死にアウトになりにいったんですよ。そうしたら、もうぜんぜん(西武ナインの)目の色が変わったんですよ。『こら、ナメたことしやがって』って。結局一点差か、同点かなんかになっちゃって」

降雨コールドを見越して、早打ちで早めに試合に決着をつけようとした星野楽天だったが西武ナインの闘志に火をつけたことで、あわやの事態に陥ったという。

結局、この試合は楽天が勝利したものの、改めて西武ナインの「ライオンズプライド」を感じた試合になったという。

クールダウンで多摩湖一周

これほどまでに怒りを示した西武ナインの根底には、培ってきた歴史があった。西武の練習量について、大久保氏は自身の入団時のことをこう振り返る。

「1時間走って100メートルダッシュ100本だって。その後特守、特打も全部あるんですよ。最後クールダウンで多摩湖一周8キロ40分以内だって言って。全然クールダウンじゃない(笑い)。それを毎日やるんですよ」

そんな厳しい練習を乗り越えることで選手たちに根性が座ってくるというのだ。

また、西武は上位選手の特別扱いもないと話す。

「ドラ1もドラ6もないですから。正直感じるのって弱いチームってドラ1は何かケガさせないように特別扱いしている。西武にはそれがないですよね」とチーム全体で底上げを図る姿勢が徹底していたという。

西武ライオンズはここまでリーグ優勝23回、日本一も13回と共にリーグ最多を誇る。常勝軍団には培ってきたメソッドがある。それを感じさせる動画内容となっている。ほかにも同動画では大久保氏の独自の練習理論などが語られている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]