JR三ノ宮駅(写真:坂本照/アフロ)

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JR西日本が、新たな三ノ宮駅ビルを2029年度に開業する。2021年10月5日の記者会見で発表した。各メディアが報じた。

神戸の中心部にある三ノ宮駅直結の旧ターミナルビルは2018年に閉館。新たなビルは高さ約160メートルになり、ホテルなどが入居。ビルの開業にあわせて、駅周辺も整備される。

大きく生まれ変わるJR三ノ宮駅

JR三ノ宮駅の新ビルには、ホテルの他にオフィスや商業施設を備える。着工は2023年度になり、2029年度内の開業となる予定だ。また三宮に集う他路線との乗り換えの利便性を向上させ、イベントなどに使える空間も新たに設置する。総事業費は数百億円規模にも及ぶという。

また10月5日には、JR三ノ宮駅ビルと三宮周辺地区の再整備に関して、神戸市JR西日本、都市再生機構西日本支社が協定を結び、相互に連携・協力することも発表された。これまでは神戸市JR西日本の2者で進めてきたが、より一層の官民連携を図るために都市再生機構が加わった。

駅ビル以外の三宮地区の開発では、三ノ宮駅東側に文化ホールやバスターミナルを備えた複合ビルを2026年度頃に完成させる予定。また駅前の10車線道路は6車線道路になり、歩行者空間を設ける。

いずれにせよ、今後10年間で三ノ宮駅周辺は大きく生まれ変わることになる。

駅名を統一してほしい

神戸市民の感想を述べるなら、三ノ宮駅新ビルの建設はもちろん喜ばしいが、他路線との乗り換えの利便性向上に期待したい。

三宮にはJR神戸線(東海道本線)のほかに、阪急、阪神、神戸市営地下鉄、ポートライナーが乗り入れる。しかし相互の乗り換えは利便性が高いとはいいがたく、連携もいまひとつだ。

例えば阪急神戸三宮駅とJR三ノ宮駅は直結しているが、阪急側は「東改札口」JR側は「西口改札」となり、休日になると出口を間違える利用者を見かける。再整備の際は改札口・出口の表記をわかりやすいものにしてほしい。

また駅名も少々複雑だ。JRのみ駅名は「三ノ宮」となり「ノ」が入る。「ノ」が入る理由としては明治時代の駅建設時に地名に馴染みのない人々に配慮したという説が知られている。

しかし、本来の地名は「三宮」であり、他社の駅名も「ノ」は入らない。市民としては駅新ビルの完成時と同時に、本来の地名である「三宮」に統一してほしいと思うが、いかがだろうか。

(フリーライター 新田浩之)