AFX通信によると、ECB(欧州中央銀行)は8日、マドリッドで定例理事会を開き、今後の金利政策を決めるが、これに先立ち、ドイツ政府経済諮問委員会(5賢人会)のメンバーであるペーター・ボーフィンガー ・ ヴュルツブルグ大学教授は7日、ユーロ高の現状では、ECBは当面、利上げに踏み切るべきではないとの見解を明らかにした。

  同教授は、AFX通信系列のdpa-AFX通信とのインタビューに応じたもので、利上げにより、ユーロ高がさらに進み、ユーロ圏最大のドイツの輸出に打撃を与える恐れがあるというのが、同教授の利上げ反対の理由。同教授は、ドイツは製品とサービスの半分以上をユーロ圏の域外に輸出しており、これ以上のユーロ高はドイツ製品の輸出競争力に打撃を与え、輸出主導の回復に水を差すと警告した。

  原油価格の高騰により、ユーロ圏の物価が上昇しているが、同教授は、それは利上げを正当化することにはならないと強調。原油価格高騰によるインフレ懸念が「第2段階」に入る恐れが出てきたときに初めて、ECBは利上げに動くべきだ、と主張した。同教授によると、まだ、「第2段階」の影響は出てきていないという。

  市場では、ECBは8日の理事会で、政策金利を0.25%ポイント引き上げ、年2.75%にするものと見ている。【了】