酒提供めぐる「圧力」都の給付金にも 「提供停止に応じない飲食店と取引しない」誓約書
政府は7月13日、酒の販売事業者に対し、酒の提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう求める要請を撤回した。
一方、東京都が7月1日に申請受付を開始した、酒の販売事業者を対象とした給付金では、申請の際に提出する誓約書で酒の提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう求める内容が残っているとして、「メディアが気がついていない」とSNSで話題となっている。6000以上リツイートされたツイートもある。
東京都の担当課は政府の撤回を受け、弁護士ドットコムニュースの取材に対し「現在削除するかどうか検討しております」と明らかにした。
●誓約書の具体的な文言は?
誓約書は、都内に本社や本店のある酒類販売事業者が「東京都中小企業者等月次支援給付金」の支給を申請するにあたり提出するもので、以下のように記載している。
「酒類販売事業者として本要綱に基づく給付金を申請する場合には、飲食店の休業・時短営業の影響があることを要件としており、これを満たしていることに相違ありません。加えて、直接的又は間接的に取引を行う飲食店が酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じていないことを把握した場合には当該飲食店との取引を行いません」
東京都の産業労働局商工部調整課によると、内閣府地方創生推進室から6月11日付で事務連絡があり、誓約書にこのような内容を記載したという。
事務連絡は「飲食店が同要請等に応じずに営業を続けていることを知りながら取引を行っている酒類販売事業者について、支援金を支給することは適当ではありません」とした上で、飲食店が要請に応じていないことを把握した場合、酒類販売事業者に対し取引を行わないよう努める旨の書面の提出を求めるなどの取組みを行うよう都道府県に求めている。