今年のモデルは一味違う！ 頭の後ろにも風が届く、首かけ式で手軽に涼めるポータブルネックファン
ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ
〜エレス「iFan Collar Plus」レビュー
2021年06月22日
TEXT：山口真弘（ITライター）
ここ1〜2年でよく見かけるようになったのが、Uの字になった形状で、首に掛け、先端についた2つのファンで顔に風を送るポータブルファンです。以前紹介した据置タイプのUSB扇風機と異なり、立って歩きながらでも涼めることが評価されてか、ネットでは多種多様な製品が販売されています。
もっとも、今年に入って発売された新製品の中には、昨年までのモデルとは少々違ったコンセプトの製品が見受けられます。今回はそのひとつ、iFan Collar Plus（アイファン カラー プラス）を紹介します。
国内メーカーが販売する製品で、パッケージや説明書も日本語化されています
本体と充電ケーブル、取扱説明書が付属します
本体はしなる構造になっており、広げた状態で首に後ろから掛けます
首に掛けた状態。上面にある無数のスリットから上向きに風が出る構造です
従来の、先端に2つのファンがついた製品には、大きな欠点が2つありました。ひとつはファンの位置がちょうど顔の下にあたるため、風が吹き付けるのはほぼ顔に限定されていたことです。首筋などに風を当てて涼みたいと思っても、構造上それは不可能でした。
もうひとつは、ファンが外部に大きく露出した構造であるため、髪を巻き込む危険があったことです。ネットのレビューを見ると、髪の長いユーザーが、しゃがみこんだ拍子に髪の毛を巻き込んでしまったという体験談もありました。
今回紹介する製品は、Uの字になったボディは従来と変わりませんが、先端にある吸気口はほぼ全面が覆われた構造になっており、外部からファンの存在を見ることができません。それゆえ髪を巻き込む心配は、大幅に低くなっています。
またUの字の先端部分から吸気し、それをボディの上面から送風する構造ゆえ、顔ではなく左右の首筋を冷やせることが大きな特徴です。実際に首にかけて使っていても、この送風方向こそが、本来あるべき姿だったのだと実感します。
先端横にある円盤部の周囲の隙間から空気を吸い込みます
吸気口は外側だけでなく内側にもあります。髪を巻き込みにくい構造です
ここまでは、今年発売になった首掛けタイプの扇風機によくある特徴なのですが、今回紹介する「iFan Collar Plus」は、さらに首の後ろにも吸気口を搭載しており、そこから取り込んだ空気をちょうど真上、つまり後頭部に向けて送ることができます。
後頭部の首筋まわりに集中的に汗をかく場合も、この機構があることで効果的に涼むことができます。前方に2つと首の後ろに1つ、合計で3つもの吸気口を搭載しているのは、同一形状の他製品と比べた場合の大きな強みです。
首の後ろにも吸気口があるのが、前方2つしかない他製品と比べた場合の強みです
吸気口の直上にあるスリットから後頭部に風を送ることができます
風量は側面のボタンを繰り返し押すことで3段階で調整でき、約2.5〜8.5時間連続して使用できます。風量はそこそこ強いため、弱でもじゅうぶんに実用的です。
これならば、自宅内で常時使う場合はもちろんのこと、ちょっとした屋外作業でも、困ることはまずないでしょう。さらに充電時間も約3時間と、6〜8時間はかかるのが普通の同種製品に比べるとかなり高速です。
また本体には抗菌加工が施されており、菌の増殖を防ぐ効果があります。効果は永続的ではないとの注意書きがありますが、USB充電タイプのこうした扇風機は、バッテリーの充電回数の制限やモデルチェンジのスピードを考えると、寿命は実質2年程度と考えるべきで、その間は一定の効果が得られるはずです。
4000mAhのバッテリーを内蔵するため、重量は約295gとややヘビーなのが欠点です
USB Type-Cケーブルで充電します。約3時間の満充電で2.5〜8.5時間駆動します
そんな本製品のネックとなるのは重量です。4,000mAhという大容量のバッテリーを搭載していることもあり、重量は約295g、スマホにして約2台分という、そこそこの重さがあります。
これら重量は分散して肩全体にかかるため、前方に重量が集中していて首が引っ張られるようなことはありませんが、長時間首にかけていると、多少なりとも負担になります。これに慣れるかどうかは、かなり個人差がありそうです。
もうひとつは吸気音および送風音です。これは本製品に限らず、先端にファンが付いた従来のタイプにも言えますが、顔の近くで動作するため、風の音はかなり騒々しく、テレビなどを見ながら使おうとすると、音がかき消されてしまいます。
また同じ理由で、家族からの呼びかけや、電話の着信音に気がつかない場合もあります。移動しながらでも手軽に涼める点においては文句なく優秀で、今年の夏にオススメといえる製品ですが、そうした特徴を踏まえておいたほうが、利用スタイルがより想定しやすいのではないでしょうか。
製品名：iFan Collar Plus (ホワイト)
実売価格：3,820円
発売元：エレス
Amazon：https://www.amazon.co.jp/dp/B08XBC2R61/
［筆者プロフィール］
山口 真弘（やまぐち まさひろ）
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』（ソフトバンククリエイティブ）『PDF+Acrobat ビジネス文書活用［ビジテク］ 』（翔泳社）など。Twitter：@kizuki_jpn
〜エレス「iFan Collar Plus」レビュー
2021年06月22日TEXT：山口真弘（ITライター）
ここ1〜2年でよく見かけるようになったのが、Uの字になった形状で、首に掛け、先端についた2つのファンで顔に風を送るポータブルファンです。以前紹介した据置タイプのUSB扇風機と異なり、立って歩きながらでも涼めることが評価されてか、ネットでは多種多様な製品が販売されています。
国内メーカーが販売する製品で、パッケージや説明書も日本語化されています
本体と充電ケーブル、取扱説明書が付属します
本体はしなる構造になっており、広げた状態で首に後ろから掛けます
首に掛けた状態。上面にある無数のスリットから上向きに風が出る構造です
従来の、先端に2つのファンがついた製品には、大きな欠点が2つありました。ひとつはファンの位置がちょうど顔の下にあたるため、風が吹き付けるのはほぼ顔に限定されていたことです。首筋などに風を当てて涼みたいと思っても、構造上それは不可能でした。
もうひとつは、ファンが外部に大きく露出した構造であるため、髪を巻き込む危険があったことです。ネットのレビューを見ると、髪の長いユーザーが、しゃがみこんだ拍子に髪の毛を巻き込んでしまったという体験談もありました。
今回紹介する製品は、Uの字になったボディは従来と変わりませんが、先端にある吸気口はほぼ全面が覆われた構造になっており、外部からファンの存在を見ることができません。それゆえ髪を巻き込む心配は、大幅に低くなっています。
またUの字の先端部分から吸気し、それをボディの上面から送風する構造ゆえ、顔ではなく左右の首筋を冷やせることが大きな特徴です。実際に首にかけて使っていても、この送風方向こそが、本来あるべき姿だったのだと実感します。
先端横にある円盤部の周囲の隙間から空気を吸い込みます
吸気口は外側だけでなく内側にもあります。髪を巻き込みにくい構造です
ここまでは、今年発売になった首掛けタイプの扇風機によくある特徴なのですが、今回紹介する「iFan Collar Plus」は、さらに首の後ろにも吸気口を搭載しており、そこから取り込んだ空気をちょうど真上、つまり後頭部に向けて送ることができます。
後頭部の首筋まわりに集中的に汗をかく場合も、この機構があることで効果的に涼むことができます。前方に2つと首の後ろに1つ、合計で3つもの吸気口を搭載しているのは、同一形状の他製品と比べた場合の大きな強みです。
首の後ろにも吸気口があるのが、前方2つしかない他製品と比べた場合の強みです
吸気口の直上にあるスリットから後頭部に風を送ることができます
風量は側面のボタンを繰り返し押すことで3段階で調整でき、約2.5〜8.5時間連続して使用できます。風量はそこそこ強いため、弱でもじゅうぶんに実用的です。
これならば、自宅内で常時使う場合はもちろんのこと、ちょっとした屋外作業でも、困ることはまずないでしょう。さらに充電時間も約3時間と、6〜8時間はかかるのが普通の同種製品に比べるとかなり高速です。
また本体には抗菌加工が施されており、菌の増殖を防ぐ効果があります。効果は永続的ではないとの注意書きがありますが、USB充電タイプのこうした扇風機は、バッテリーの充電回数の制限やモデルチェンジのスピードを考えると、寿命は実質2年程度と考えるべきで、その間は一定の効果が得られるはずです。
4000mAhのバッテリーを内蔵するため、重量は約295gとややヘビーなのが欠点です
USB Type-Cケーブルで充電します。約3時間の満充電で2.5〜8.5時間駆動します
そんな本製品のネックとなるのは重量です。4,000mAhという大容量のバッテリーを搭載していることもあり、重量は約295g、スマホにして約2台分という、そこそこの重さがあります。
これら重量は分散して肩全体にかかるため、前方に重量が集中していて首が引っ張られるようなことはありませんが、長時間首にかけていると、多少なりとも負担になります。これに慣れるかどうかは、かなり個人差がありそうです。
もうひとつは吸気音および送風音です。これは本製品に限らず、先端にファンが付いた従来のタイプにも言えますが、顔の近くで動作するため、風の音はかなり騒々しく、テレビなどを見ながら使おうとすると、音がかき消されてしまいます。
また同じ理由で、家族からの呼びかけや、電話の着信音に気がつかない場合もあります。移動しながらでも手軽に涼める点においては文句なく優秀で、今年の夏にオススメといえる製品ですが、そうした特徴を踏まえておいたほうが、利用スタイルがより想定しやすいのではないでしょうか。
製品名：iFan Collar Plus (ホワイト)
実売価格：3,820円
発売元：エレス
Amazon：https://www.amazon.co.jp/dp/B08XBC2R61/
［筆者プロフィール］山口 真弘（やまぐち まさひろ）
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』（ソフトバンククリエイティブ）『PDF+Acrobat ビジネス文書活用［ビジテク］ 』（翔泳社）など。Twitter：@kizuki_jpn
