野菜や常備食品が値上がり…!そんなときでも上手に食費節約する6つの方法
スーパーに行くと、値上がりなどが気になったりしませんか? 天候などが影響する野菜や、これから予定されている食品の値上がりなどもあり、食費節約には厳しいものとなってきました。そこで、食材値上がりにおけるやりくり術を、節約アドバイザーの丸山晴美さんに教えてもらいました。
欲しい野菜が高い…つい買うのをためらってしまいますよね(※写真はイメージです。以下同)
長引く天候不順で、野菜の値上がりが続いています。この時季、夏野菜として出回るものが、生育不順となり高値となっていることが原因のようです。天候が影響して野菜が値上がりするのは、1年を通してあり得ることなので、高くなっている野菜を買うのをためらう人も多いのではないでしょうか?
食品では、4月、6月には食用油が1kgあたり50円ずつ値上がりし、8月にも値上げが予定されています。それ以外にも大豆製品や食用油や小麦、小麦製品が値上がり予定です。大豆、小麦製品は、加工食品なども家庭ではかなり重宝するものなので、広く影響が出ると予想されます。
消費者心理では値上げを嫌う傾向があるため、パッケージ変更の際に価格はそのままで、内容量が減る「ステルス値上げ」も増えるはず。ボリュームや大きさ、食べごたえが売りだった商品がどんどん小さくなってきて、そろそろBIGやジャンボ、ファミリーパックと銘打つのが苦しいくらいの大きさの商品も出てきます。
かつて、食品の内容量が増量されていった時代を知っている筆者は、どんどん小ぶりになり、「女性でも食べやすい」が売りになる商品を見るたびに、複雑な気持ちになってしまいます。
食材の値上げや値上がりは、食費がかさむ原因にもなります。こういった値上がりの場面においての上手なやりくり方法をご紹介します。
限られた食費でやりくりする場合は、買う食材や食品の優先順位を考えましょう。
優先順位が高いものとは、自炊に必要な原材料と言われる、野菜や肉などの加工されていないものです。加工されているものは、値段がその分上乗せされているため食費が膨らむ原因にもなります。また、お菓子などの嗜好品類も優先順位としては下です。嗜好品を買うお金があれば、キャベツ1玉は買える、そんな考え方でやりくりができるはずです。
すべての野菜が値上がりしているわけではありません。大きく値上がりしている野菜は避けるとして、そこまで値上がりをしていない野菜やキノコ類を買うようにしましょう。
おすすめはキャベツです。キャベツは現状そこまで値上がりはしていません。また、大玉のキャベツなら、葉を1枚1枚剥きながら調理することで、傷みにくく長持ちします。保存するときは、ポリ袋に入れて空気を抜き、野菜室で保存するだけなので簡単です。キャベツは切ったところから傷んでくるので、半分などにカットされたキャベツを買う場合、使いきり用として使うならOKです。
また、モヤシも価格の変動幅が少ないので、1袋20〜30円の家計お助け食材には変わらないのですが、1玉150円のキャベツ=5〜7.5袋分のモヤシと考えることもできるので、その時によって使いわけ、買いわけるといいでしょう。
冷凍野菜も取り入れてもいいでしょう。ブロッコリーやインゲン、ホウレンソウなど青みのある野菜は食卓やお弁当にも欠かせない食材です。これらは冷凍野菜で購入したほうが安くなる場合があります。産地が気になる場合は、必ず確認してから購入しましょう。各スーパーのPB(プライベート)商品の冷凍野菜は手ごろな価格で、産地表示もされているのでおすすめです。
また、キノコ類は、冷凍することもできます。安売りの際に、まとめ買いをして、小房に分けてからジップ式の袋に入れて、冷凍しておくと便利です。
スナック菓子や菓子パンといった手軽に食べられるものを常備する人も多いかもしれませんが、これらは、食費を膨らませてしまう一因になります。また、最近のスナック菓子や菓子パンは、量が少なくなったり、値段が上がるなど1つあたりの単価が高くなってきているのは冒頭に申し上げたとおり。そのため、1つでは満足できずに、複数食べるとおやつ代(食費)は増えるばかりです。
これらのお菓子を買わない代わりに、ゆで卵、魚肉ソーセージ、小分けしたご飯、食パン、切り餅といった比較的安く、腹持ちがよいものを常備しておくといいでしょう。これらは通常の食事にも使えるものなので、無駄になりにくく、単価で考えるとお菓子や菓子パンに比べると、ゆで卵なら1つ10〜20円、魚肉ソーセージなら5本束で約200円、1本あたり40円と安く済みます。
スーパーなどが展開するプライベートブランド(PB)の認知度はかなり高くなりました。いつも手ごろな価格で毎日提供されるPB商品は値上げ時にも比較的がんばってくれる商品です。しかし、パッケージ変更などが行われると、内容量が減っていることも多々あります。とはいえ、価格はほぼ据え置きなので食費の予算内に収めたいときには心強い存在です。
また、食用油や調味料、インスタント食品といった定番食品は、定期的に特売になりやすい商品ですので、特売も忘れずにチェックしておくのが大切です。
食用油が値上がりする場合、たっぷりの油を使った揚げ物料理は避けられがちです。揚げ物をする際は、天ぷら鍋にたっぷりの油で揚げるのではなく、少量の油で揚げ焼きにする方法や、衣をつけずにオーブンで焼く方法などがあります。
食肉価格が上昇しても、鶏胸肉や豚こま肉は他のお肉に比べても節約になるので人気です。パサつきがちな鶏胸肉も、下味冷凍をすることで、柔らかく、味が染み込んで、食べやすくなります。下味冷凍とは、肉にあらかじめ調味料を加えて冷凍しておくことです。解凍後に加熱調理をするだけなので、手軽にメインが作れ、食材のロスを減らすメリットもあります。
豚こま肉は、豚こまボールといった豚こま肉をボール状にしたものをから揚げにして、甘酢あんかけや、照り焼き味にするなど、味を変えてバリエーションを広げることができます。
値上げは家計にとって痛手ですが、工夫次第で食費の節約は可能です。値上げで慌ててまとめ買いをするのもかえってムダづかいになってしまうことも。まずは一度、レシートを確認して、日頃の買い物を再点検して、食材の優先順位や、買い物の仕方などを改めてチェックするといいですね。
●教えてくれた人
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。著書に『50代から知っておきたい! 年金生活の不安、解消します
』(共著、幻冬舎刊)などがある。新しい家計簿『節約家計ノート2021
』(東京新聞刊)、『シングルママのお金に困らない本
』(徳間書店)も発売中。オンラインコミュニティサロン「女性のための夢を叶える! お金の教室
」もスタート
欲しい野菜が高い…つい買うのをためらってしまいますよね(※写真はイメージです。以下同)
食材の値上がりで買い物に苦戦…。上手な食費のやりくり方法
食品では、4月、6月には食用油が1kgあたり50円ずつ値上がりし、8月にも値上げが予定されています。それ以外にも大豆製品や食用油や小麦、小麦製品が値上がり予定です。大豆、小麦製品は、加工食品なども家庭ではかなり重宝するものなので、広く影響が出ると予想されます。
消費者心理では値上げを嫌う傾向があるため、パッケージ変更の際に価格はそのままで、内容量が減る「ステルス値上げ」も増えるはず。ボリュームや大きさ、食べごたえが売りだった商品がどんどん小さくなってきて、そろそろBIGやジャンボ、ファミリーパックと銘打つのが苦しいくらいの大きさの商品も出てきます。
かつて、食品の内容量が増量されていった時代を知っている筆者は、どんどん小ぶりになり、「女性でも食べやすい」が売りになる商品を見るたびに、複雑な気持ちになってしまいます。
食材の値上げや値上がりは、食費がかさむ原因にもなります。こういった値上がりの場面においての上手なやりくり方法をご紹介します。
●原材料から買う
限られた食費でやりくりする場合は、買う食材や食品の優先順位を考えましょう。
優先順位が高いものとは、自炊に必要な原材料と言われる、野菜や肉などの加工されていないものです。加工されているものは、値段がその分上乗せされているため食費が膨らむ原因にもなります。また、お菓子などの嗜好品類も優先順位としては下です。嗜好品を買うお金があれば、キャベツ1玉は買える、そんな考え方でやりくりができるはずです。
●手ごろな価格の野菜を買う
すべての野菜が値上がりしているわけではありません。大きく値上がりしている野菜は避けるとして、そこまで値上がりをしていない野菜やキノコ類を買うようにしましょう。
おすすめはキャベツです。キャベツは現状そこまで値上がりはしていません。また、大玉のキャベツなら、葉を1枚1枚剥きながら調理することで、傷みにくく長持ちします。保存するときは、ポリ袋に入れて空気を抜き、野菜室で保存するだけなので簡単です。キャベツは切ったところから傷んでくるので、半分などにカットされたキャベツを買う場合、使いきり用として使うならOKです。
また、モヤシも価格の変動幅が少ないので、1袋20〜30円の家計お助け食材には変わらないのですが、1玉150円のキャベツ=5〜7.5袋分のモヤシと考えることもできるので、その時によって使いわけ、買いわけるといいでしょう。
冷凍野菜も取り入れてもいいでしょう。ブロッコリーやインゲン、ホウレンソウなど青みのある野菜は食卓やお弁当にも欠かせない食材です。これらは冷凍野菜で購入したほうが安くなる場合があります。産地が気になる場合は、必ず確認してから購入しましょう。各スーパーのPB(プライベート)商品の冷凍野菜は手ごろな価格で、産地表示もされているのでおすすめです。
また、キノコ類は、冷凍することもできます。安売りの際に、まとめ買いをして、小房に分けてからジップ式の袋に入れて、冷凍しておくと便利です。
●おやつは食べごたえのあるものを選ぶ
スナック菓子や菓子パンといった手軽に食べられるものを常備する人も多いかもしれませんが、これらは、食費を膨らませてしまう一因になります。また、最近のスナック菓子や菓子パンは、量が少なくなったり、値段が上がるなど1つあたりの単価が高くなってきているのは冒頭に申し上げたとおり。そのため、1つでは満足できずに、複数食べるとおやつ代(食費)は増えるばかりです。
これらのお菓子を買わない代わりに、ゆで卵、魚肉ソーセージ、小分けしたご飯、食パン、切り餅といった比較的安く、腹持ちがよいものを常備しておくといいでしょう。これらは通常の食事にも使えるものなので、無駄になりにくく、単価で考えるとお菓子や菓子パンに比べると、ゆで卵なら1つ10〜20円、魚肉ソーセージなら5本束で約200円、1本あたり40円と安く済みます。
●PB商品や特売をチェックする
スーパーなどが展開するプライベートブランド(PB)の認知度はかなり高くなりました。いつも手ごろな価格で毎日提供されるPB商品は値上げ時にも比較的がんばってくれる商品です。しかし、パッケージ変更などが行われると、内容量が減っていることも多々あります。とはいえ、価格はほぼ据え置きなので食費の予算内に収めたいときには心強い存在です。
また、食用油や調味料、インスタント食品といった定番食品は、定期的に特売になりやすい商品ですので、特売も忘れずにチェックしておくのが大切です。
●調理方法を工夫する
食用油が値上がりする場合、たっぷりの油を使った揚げ物料理は避けられがちです。揚げ物をする際は、天ぷら鍋にたっぷりの油で揚げるのではなく、少量の油で揚げ焼きにする方法や、衣をつけずにオーブンで焼く方法などがあります。
●肉は比較的安い鶏胸肉、豚こま肉を活用する
食肉価格が上昇しても、鶏胸肉や豚こま肉は他のお肉に比べても節約になるので人気です。パサつきがちな鶏胸肉も、下味冷凍をすることで、柔らかく、味が染み込んで、食べやすくなります。下味冷凍とは、肉にあらかじめ調味料を加えて冷凍しておくことです。解凍後に加熱調理をするだけなので、手軽にメインが作れ、食材のロスを減らすメリットもあります。
豚こま肉は、豚こまボールといった豚こま肉をボール状にしたものをから揚げにして、甘酢あんかけや、照り焼き味にするなど、味を変えてバリエーションを広げることができます。
値上げは家計にとって痛手ですが、工夫次第で食費の節約は可能です。値上げで慌ててまとめ買いをするのもかえってムダづかいになってしまうことも。まずは一度、レシートを確認して、日頃の買い物を再点検して、食材の優先順位や、買い物の仕方などを改めてチェックするといいですね。
●教えてくれた人
【丸山晴美さん】
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。著書に『50代から知っておきたい! 年金生活の不安、解消します
』(共著、幻冬舎刊)などがある。新しい家計簿『節約家計ノート2021
』(東京新聞刊)、『シングルママのお金に困らない本
』(徳間書店)も発売中。オンラインコミュニティサロン「女性のための夢を叶える! お金の教室
」もスタート