原辰徳監督(2014年撮影)

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リーグ3連覇を狙う巨人は捕手、一塁、左翼でレギュラー争いが繰り広げられている。

一方で、遊撃・坂本勇人、三塁・岡本和真、中堅・丸佳浩、右翼・梶谷隆幸はシーズンを戦い抜く上で攻守の中心選手として計算されている。この中で、昨季レギュラーとして活躍しながら、定位置を確約されていない選手がいる。二塁の吉川尚輝だ。

原監督「(吉川は)相当、奮起しないといけない」

吉川は昨季112試合出場で打率.274、8本塁打、11盗塁。1番打者でチームトップの46試合にスタメン出場し、リードオフマンとして打線を牽引した。俊足を生かした二塁の守備でも再三のピンチを救った。抜群の身体能力と野球センスは他球団の選手にも一目置かれている。

ツインズ・前田健太が自身のYouTube「マエケンチャンネル」で、「空想日本代表ドラフト会議」の動画を6月に配信した際は、「吉川はメチャメチャ打撃がいいと思う」と評価。ゲスト出演したレッズ・秋山翔吾も自身が15年に樹立したNPB歴代最多の216安打を超える可能性を秘めた選手に言及し、吉川の名を挙げていた。

だが、原辰徳監督が求めるレベルは高い。16日にスポーツ報知の紙面で掲載された同紙評論家の藤川球児氏と対談でこう語っている。

「北村(拓己)が二塁のレギュラーを取ると面白い。もちろん、吉川は昨年もいい経験をしたけど、数字的には高い選手ではない。足も速いが、スチールなら増田大輝の方が走力がある。(吉川は)相当、奮起しないといけない」

「チームの顔にならなければいけない選手」

今季の巨人打線の構想は1番がDeNAからFA移籍した梶谷。吉川は2番か下位打線で起用される可能性が高い。そこで課題になるのが出塁率だ。

早打ちの傾向がある吉川。昨季は389打席で30四球と少なく、出塁率.336も物足りない。19年は腰痛で長期離脱して11試合の出場にとどまるなど、万全のコンディションで戦えるかもカギを握る。

「原監督は吉川への期待が大きいからこそ、さらなる進化を求めている。広島の菊池が昨季史上初の守備率10割で8年連続ゴールデングラブ賞を受賞しましたが、9年連続のタイトル獲得を阻止できるのは吉川しかいない。

打撃でも難しい内角の球をさばいてヒットゾーンに持っていくなど、打撃技術を磨けば首位打者になれる可能性を秘めている。チームの顔にならなければいけない選手ですね」(スポーツ紙巨人担当記者)

吉川は不動のレギュラーになれるか。野球人生の分岐点を迎えたシーズンになりそうだ。