米を主食とする私たち日本人にとって、海苔は切っても切り離せない食材の一つだろう。

おにぎりにはほぼ必須だし、のり巻きやお茶漬けなどもある。

そんな身近な食材である海苔だが、関東では「焼きのり」、関西では「味付けのり」がメジャーであるという話がある。(「関西人は『焼きのり』をほとんど使わない? 『味付け』圧倒的人気の理由は...」)

しかし、関東人でも、味付けのりが好きな人は多いはず。

そこでJタウンネットでは、 2019年6月3日から2021年3月8日の期間、「海苔といえば『焼きのり』?『味付けのり』?」というテーマで都道府県別に投票を募った。

投票総数は851票。果たして、その結果は――。

西では味付けのり派、東では焼きのり派が多数



まず、全体の結果では焼きのり派が46.5%(396票)、味付けのり派が53.5%(455票)で、味付けのり派が若干優勢という形になった。

都道府県別の結果を見てみると、47都道府県中、22地域で焼きのり派、18地域で味付けのり派が優勢、7地域では両者が同票を集めるという結果に。

優勢地域の数はほぼほぼ互角といった感じだが、その分布を見てみると比較的はっきりと地域差が出ているようだ。

まず、北海道・東北地方を見てみると、味付け海苔派が優勢だったのは青森県(100%)のみ(括弧内は優勢だった選択肢の割合、以下同)。

北海道(84.6%)・岩手(100%)・宮城(66.7%)・秋田(100%)・山形(83.3%)・福島(100%)では焼きのり派が優勢だ。

地方全体では、83.9%が焼きのり派で、味付けのり派はわずか16.1%にとどまった。

次に関東地方を見てみよう。味付けのりが優勢だったのは、茨城県(66.7%)・神奈川県(51.4%)の2地域。

焼きのり派が優勢だったのは栃木県(87.5%)・群馬県(100%)・埼玉県(57.1%)・千葉県(70.6%)・東京都(51.8%)の5地域だ。

地方全体で見れば、焼きのり派が53.5%、味付けのり派は46.5%で、焼きのり派がわずかに優勢。北海道・東北地方に比べれば、かなり味付けのり派の割合が大きくなっている。

中部地方を見ると、味付けのり派は静岡県(55.6%)のみ。

新潟県(54.5%)・石川県(51.9%)・長野県(80.0%)・愛知県(65.6%)が焼きのり派、富山県・福井県・山梨県・岐阜県では結果が拮抗。地方全体では、焼きのり派55.0%、味付けのり派は45.0%だった。

ここまでの3地方では、焼きのり派が優勢だったが、近畿地方では、いよいよ味付けのり派に軍配が上がった。

京都府(92.3%)・大阪府(87.5%)・兵庫県(80.6%)・和歌山県(80.0%)で味付けのり派が優勢。しかも、いずれの地域でも8割以上を占めている。

焼きのり派が多かったのは三重県(53.3%)、奈良県(100%)の2県。滋賀県では結果が拮抗した。

結果として、地方全体では78.1%が味付けのり派だ。

さらに西に行き、中国・四国地方では焼きのり派優勢の地域は存在しない。

鳥取県(83.3%)・島根県(80.0%)・岡山県(78.9%)・広島県(80.0%)・徳島県(75.0%)・香川県(80.0%)・愛媛県(66.7%)・高知県(66.7%)が味付けのり派、山口県では結果が拮抗した。

地域全体では、75.3%が味付けのり派。

近畿、中国・四国地方での味付けのり人気は、確かなもののようだ。

最後に九州・沖縄地方。ここでは焼きのり派が勢いを取り戻す。

福岡県(54.5%)・佐賀県(100%)・長崎県(60%)・熊本県(100%)・大分県(60%)で焼きのり派が優勢で、味付けのり派が多かったのは宮崎県(80%)・鹿児島県(60%)の2地域だった。沖縄県では結果が拮抗している。

ただ、地域全体としては焼きのり派53.8%、味付けのり派46.2%で、大きな差があったわけではない。

振り返ってみると、焼きのり派優勢の地方では、味付けのり派と焼きのり派の割合は、おおむね僅差だった。しかし、味付けのり派優勢の地方では、圧倒的な人気で味付けのりが勝利。

このことが、最終的な結果に影響したと言えそうだ。

記事冒頭で触れたように、関西では味付けのりがメジャーだという話は間違いない。加えて、瀬戸内海沿岸の地域では、味付けのりへのこだわりがかなり強いようだ。

しかし、かといって関東では焼きのりがメジャーであるというのは、あながちそうとも言い切れないのかも知れない。