コロナ関連の破たん978件に 2月は過去最多ペース 東京商工リサーチ

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 東京商工リサーチは5日、コロナ禍が主因で経営破たんした国内事業者数が、前週から42件増え累計で978件(負債1,000万円以上)に達したと発表。昨年12月と今年1月は減少傾向が見られたものの、2月は過去最多ペースで発生。外出や密を伴う業種の多くは、国や自治体の協力金などに依存した資金繰りが続く。一方国会では、事業者の積極投資を促す税制改正案の協議が始まるなど、コロナ後を見据えた動きも見逃せない。

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 東京都は6日、都内で確認された新型コロナウイルス新規感染者数が639人と、9日連続で1,000人を下回ったと発表。重症者数は114人と前日から3人減った。6日までの1週間における1日当たり平均は601人で、前週の900人や前々週の1,289人から減少。緊急事態宣言解除の目安とされる「500人未満」が視野に入った。

 一方、1月頃より国内でも感染が確認されている変異型への懸念は強い。東京都など1都3県の知事は5日、変異ウイルスへの対策に関する政府への要望事項を発表。検体の検査やその情報連携のほか、医療体制を強化するための財政支援を求めた。合わせて、緊急事態宣言の延長を受け売上減少などの影響が続く事業者向けの支援策についても拡充を求めた。

 コロナが拡大して以降、経済対策は事業者の資金繰り支援などが中心だったが、日本の中長期的な発展や国際競争力の強化に向けた動きも見逃せない。令和3年度の税制改正で新設が予定されるのが、「DX投資促進税制」と「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」。前者はクラウド化などで事業変革を行う事業者に対する優遇措置で、後者は脱炭素化効果の高い先進的な投資を行う事業者に対する優遇措置。コロナ対策と経済発展を同時に実現させるための重要な施策と言える。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間6日午後4時時点で1億538万人超、死者数は229万人を超えた。国別の最多は米国の2,680万人超、次いでインドが1,081万人。以下、ブラジル944万人、イギリス392万人、ロシア389万人、フランス335万人、スペイン294万人、イタリア261万人と続く。日本の累計感染者数は40万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、5日16:00時点で978件に達したと発表。このうち906件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。負債1,000万円未満の小規模倒産は含まれていない。

 東京、大阪、神奈川、愛知など事業者数の多い地域で多く発生し、業種別では、飲食業、アパレル関連、建設業、宿泊業の順で多い。飲食業の破たんは、飲食料品卸売業や食品製造業など関連業界への影響が避けられないところ、政府は現在、時短要請に応じた店舗について大企業も含め一律6万円/日を支給し支援している。