日本では、会社との退職交渉は転職活動のなかで最も難しい活動の1つと言われる。中国では何も言わずに急に会社や工場に来なくなり、そのまま辞めてしまう人もいるほどだが、中国メディアは、日本では退職がいかに難しいか、紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本では、会社との退職交渉は転職活動のなかで最も難しい活動の1つと言われる。中国では何も言わずに急に会社や工場に来なくなり、そのまま辞めてしまう人もいるほどだが、中国メディアの快資訊は8日、日本では退職がいかに難しいか、紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、日本のドラマを見ていると「仕事を辞めるのは大変だ」というのがよく分かると紹介。あるドラマでは、登場人物が紆余曲折を経て「最後にようやく退職を決意する」シーンが出てきた、と意外そうに伝えた。中国では「良い条件の仕事が見つかった」などの理由で気軽に仕事を辞める人が多いため、日本の事情を意外に感じるのは当たり前かもしれない。

 なぜ日本では「会社を辞めたくてもなかなか辞められない」のだろうか。記事は「退職の手続きが非常に面倒だから」と分析している。例えば日本では、会社ごとに「1カ月前には退職の意思表示をする」などの決まりがあり、できればその前に「引き継ぎの準備」をしておくのが望ましいと紹介。しかも、同時進行で次の仕事も探さなければならず、とても大変だと伝えた。

 そのうえ、「退職時期も重要」だと紹介し、会社の迷惑にならないように、繁忙期を避ける人が多いことを紹介した。また残りの有給休暇をどうするか考え、これまでの取引先に挨拶メールを送り、後任者のフォローに気を配り、会社の所有物を持っていたら返却し、最後には送別会のスピーチまで考えるので、しなければならないことや、考えなければならないことが山ほどある、と退職のハードルの高さを強調している。

 確かに、日本の会社では退職までにすべきことがたくさんあるのは間違いないと言えるだろう。中国には急に辞めてしまうマイペースな人が多いが、周りもあまり気にしないようだ。これは国民性もあるのだろう。この点、律儀にルールを守り、他人に迷惑をかけてしまうことを心配し、計画性があって我慢強い日本人が「なかなか会社を辞められない」のは当然なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)