パドレスへトレード移籍したダルビッシュ有【写真:AP】

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「2021年はタンキングすることになった。それがカブスの方針の変化だ」

 日米で衝撃が走ったダルビッシュ有投手のパドレスへのトレード移籍。今シーズン日本人初の最多勝を獲得するなど復活したエース右腕を放出したカブスに地元メディアは「恥ずべきこと」と酷評している。

 ダルビッシュと専属捕手だったカラティニを含めた2対5の大型トレードに怒りを露わにしたのは米TV局「NBCスポーツ・シカゴ」だった。今季リーグ最多勝(8勝)に輝き、サイ・ヤング賞投票でも2位に入った右腕の放出を「カブスにとって恥ずべきこと」と一刀両断した。

 記事では「球団内最高の投手」と評価するダルビッシュがパドレスに移籍したことで「2021年はタンキングすることになった。それがカブスの方針の変化だ」と指摘。タンキングとは高額な年俸の主力選手を放出し戦力を落として負けることで、ドラフト上位指名権を得ようとすること。つまりチームが再び“再建期”に入ったことを伝えている。

 2016年に世界一に輝いたカブスがわずか4年後にタンキングすることは「ファンへの裏切り行為」と指摘し「力のある投手がサイ・ヤング賞投票で2位に輝いた直後に、大量のマイナーでプレーするプロスペクトたちと交換すること。そのメッセージが示すものは明らかだ」と怒りをぶちまけている。

 パドレスからは5選手がカブスに加入したが、今季7勝を挙げたザック・デイビーズ投手以外では10代の選手が3人と来シーズンの見返りは期待できない。記事でも「それが4年後に何を意味をするのかは、誰にもわからない」と伝えている。

 新型コロナウイルスの感染拡大で今季は無観客の短縮シーズン。大幅な減収となり球団も今オフはコスト削減に取り掛かったが「球界でも最上位クラスの資金力を持ち、収益も最高クラスのフランチャイズがまたタンキングをしているということだ。それは恥ずべきことである。財政的に健全なビッグマーケットの球団がやることではない。パンデミックの最中であってもだ」と、最後までダルビッシュを放出したカブスを酷評していた。(Full-Count編集部)