中国メディアは、中国国内で日系車に対する良くないデマが存在する一方で、それでも日系車がこれまで販売台数を伸ばしてきた理由について考察する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では日系車について「ボディーに使用されている鋼板が薄く、安全性能が劣っている」というデマが存在する。しかし、中国の路上では多くの日系車を見かけることができ、デマの存在とは裏腹に日系車は多くの中国人によって支持されていると言えるだろう。中国メディアの百家号は10日、中国国内で日系車に対する良くないデマが存在する一方で、それでも日系車がこれまで販売台数を伸ばしてきた理由について考察する記事を掲載した。

 記事はまず、中国国内では日系車について「ボディーに使用されている鋼板が薄く、安全性が劣る」というデマが存在することを紹介し、確かに日系車は米国車やフランス車、ドイツ車に比べて鋼板が薄く、車体も軽く、ペンキも薄いのは事実だと主張。一方、自動車の安全性は鋼板の厚さやペンキの厚さで左右されるものではないと指摘し、日系車よりボディーの鋼板が厚くとも、安全性に劣る車はいくらでも存在すると強調した。

 さらに、中国の自動車市場は世界最大であるにもかかわらず、まだ未成熟であり、中国人消費者の自動車に対する理解も「20年前とほとんど変わっていない」のは問題であると強調し、自動車の世界はまさに日進月歩であるがゆえに車重や鋼板の薄さなどで車の性能や安全性を推測してはならないと指摘した。

 また、中国では「技術に対する研究開発を疎かにする一方で、中国人消費者のマーケティングには熱心な自動車メーカーもある」とし、中国人消費者が好む「車内空間の広さ」や「高級感」にこだわった車を発売する一方、このようなメーカーが売る車は「消費者の目が届かない場所では手抜きをしている」と強調。そして、日系車が売れる理由もここにあるとし、それは日系車には手抜きがなく、明らかに突出した技術を持つことを消費者が実感できる「性能」を持っているからだと論じた。

 最後に記事は、日系車であろうとドイツ車であろうと「絶対的に安全な車は存在しない」のが現実であり、「どんな車に乗るとしても安全運転を心がけることが絶対的に大切なことだ」と強調した。中国では確かにネット上を中心に日系車に対するデマが存在するものの、中国の路上では非常に多くの日系車を見かけるのも事実だ。これは、日系車が中国人消費者に高く評価されているからに他ならないと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)