愛知に「東海っす」大阪に「近畿ですよ〜」岐阜に対しては... 地元民も納得?三重県の「三枚舌外交」が話題に
「三重っていったい何地方なの?」
こんな疑問を持ったことはないだろうか。三重は中部地方の愛知・岐阜とともに「東海3県」と称される傍ら、大阪・京都・奈良・和歌山・滋賀・兵庫の属する「近畿地方」にも所属。「中部と近畿、どちらに属するのか」と長きにわたって議論され続けている。
そんなどっちつかずの三重の状態を表したイメージ図が、こちらだ。
八方美人の三重(画像はpuri@puri_22sさん提供)
愛知「僕も東海3県っすよ!おっす愛知さん!!」
岐阜「愛知うざいよな」
大阪「忘れないでくださいよ大阪さん 僕も近畿ですよ〜」
愛知に対しては東海地方だと言い張る一方、なぜか岐阜には愛知の悪口を言って仲良くしようとしている。さらに大阪に対しては近畿だと主張し、相手に応じて都合よく振舞う。擬人化するとちょっと嫌なタイプだ。
このイメージ図は、ツイッターユーザーのpuri(@puri_22s)さんが作成したもの。2020年7月20日、「三重県の三枚舌外交」と題して投稿した。第一次世界大戦中、イギリスがアラブ・ユダヤ・フランスに対して締結した3つの協定が、結果的に複数の問題を引き起こし「三枚舌外交」とされていることにかけたという。
投稿には21日夜時点で3万件以上のいいねが付き、話題に。他のユーザーからは、
「うすうす気が付いてました...」
「三重は実質2つに分裂してるから...」
「地味に奈良スルーしてるの最高に三重だわwwww」
「見栄を張りましたね、三重県だけに」
といった声が寄せられている。
「愛知・大阪は敵に回さないように」
投稿者のpuriさんは愛知在住。Jタウンネットが21日に話を聞いたところ、作成したイメージ図は、
「三重は文化的に東西の分かれ目であり、さらに地方区分でもいろいろなわけ方があるにも関わらず、周りの県とうまーく付き合っている様子」
を表しているという。
イメージ図での三重は、近畿の中心地・大阪に忘れられないよう話しかけ、東海の中心地・愛知に対しても東海の一員として挨拶を欠かさない。気になるのが、岐阜に対して「愛知うざい」と悪口を言っていることだが、puriさんはその理由について、
「愛知あっての東海3県(東海地方)なので、ワンマン運営に対して一緒に文句を言っています」
と説明する。
また、愛知・大阪に対しては下手に出ているのに対し、岐阜とはまるで友達のように砕けた口調になっている。その理由については、
「愛知・大阪には勝てないとわかっているので、喋りで敵に回さないようにしています。岐阜は愛知に対する劣等感を抱く同志のようなものです」
とのことだった。
三重出身者「岐阜に仲間意識ない」
puriさんの作ったイメージ図を、三重の人はどう見るのか。三重出身者にこの図を見せてみた。
三重県の三枚舌外交 pic.twitter.com/pd97mtJpRU
— puri (@puri_22s) July 20, 2020
三重の北部・桑名市出身のIさんに聞くと、
「県外の人から見るとこうなんだろうなあという印象。東日本・西日本では三重は分けられないし」
三重の中北部・亀山市出身のKさんは、
「(岐阜に対する)愛知うざいはよくわからんけど、だいたいこんな感じ。でも大阪は三重のこと近畿やと思ってないと思う」
大阪に居住経験があり、言葉も関西弁色が濃いKさんは、自己紹介で「関西出身です」と名乗ることがあるという。だが大阪の人からは「三重は関西(近畿)じゃない」という扱いを受けるらしく、三重→大阪に関しては一方的な思いなのかもしれない。
三重の中部・松阪市出身のFさんは、
「愛知うざいは思ったことない。岐阜に対して仲間意識とかないかも...。岐阜駅が思ったより都会でちょっと悔しいと思ったことはあるけど。愛知と大阪に対してはわかる!」
と、やや意外な見解。東海3県とまとめられることが多いとはいえ、お互いを仲間だと思っているとは限らないようだ。