“成長すると縮むカエル”がいるって知ってた? 世界最大級のオタマジャクシが縮む理由はいまだ解明されず、生命の神秘すぎる件

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 今回紹介するニコニコ動画は、ゆっくりマニアック動植物さんが投稿した『ゆっくりマニアック動植物図鑑 1匹目 成長すると縮む アベコベガエル』という動画。
 音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)博麗霊夢(はくれい れいむ)のふたりのキャラクターが、アベコベガエルの生態を解説していきます。

魔理沙:
 アベコベガエルは無尾目のカエルの仲間で、アマガエル科アベコベガエル属に属しています。でも分類があまりはっきり分かっていません。アベコベガエル科だったり他の科に入れられたりもしましたが、今はアマガエル科説が有力らしいです。

霊夢:
 よく分かっていないカエルなんですね。

魔理沙:
 そうですね。しかもアベコベガエル属は、さらに亜種を含めると7種類に分けられるんですが、そこら辺はややこしいので今回は一般にアベコベガエルと呼ばれている種類の(学名)Pseudis paradoxaについて解説しようと思います。

霊夢:
 よろしく頼みます。

魔理沙:
 アベコベガエルは南米の湖や川にいるカエルで、体長は5〜7cmです。そして、これが成体の写真です。成体のアベコベガエルはアマガエル科なのに木に登らず水の中にいるのが好きで、後ろ足も泥をかくために発達していて一生のほとんどを水の中で過ごします。英語ではswimming frogと呼ばれたりもします。

霊夢:
 確かに水面から顔を出していますね。でも、正直写真だけじゃ普通のカエルにしか見えません……。

魔理沙:
 そうですね。でもこのアベコベガエル、なんと普通のカエルと反対にオタマジャクシがカエルよりもずっと大きいんです。だからアベコベガエルと名付けられています。学名のparadoxaは逆説という意味ですが、それもここに由来しています。

霊夢:
 オタマジャクシがカエルよりも大きいんですか?

魔理沙:
 そうです。しかもアベコベガエルのオタマジャクシは世界最大級の大きさで、なんと全長20cmを超えます。27cmのものも発見されたこともあります。写真がこちらです。

霊夢:
 でっっか!! こんなオタマジャクシが泳いでいたらコイとかと間違えそうですね。ん? アベコベガエルの成体が5〜7cmということは4分の1ぐらいに縮んじゃってるじゃないですか!

魔理沙:
 その通りです。しかも普通のカエルはオタマジャクシから変態した直後は小ガエルでしばらく成長を続けるんですが、アベコベガエルはオタマジャクシの時点でほぼ成長しきっているのでカエルになった後は、ほとんど成長しません。

霊夢:
 なるほど。言ってみればレベル90のニョロモということですね。 

魔理沙:
 まぁポケモンで例えたらそんな感じかもですね。

霊夢:
 それにしても惜しい生き物ですね。真っ当にカエルに成長すれば、1m越えのカエルになれたかも知れないじゃないですか。

魔理沙:
 それがアベコベガエルが、どうしてカエルになると縮むように進化したのかは未だに分かっていません。

霊夢:
 本当に不思議なカエルですね。

魔理沙:
 さらにこのカエルに関しての医学の研究もあります。アベコベガエルの皮膚に存在するpseudin-2というペプチドが、膵細胞を刺激してインスリンを分泌させる働きがあることが研究で分かっています。インスリンは、血糖値を下げる働きがあるのでpseudin-2は、2型糖尿病の治療に役立つ可能性があります。

霊夢:
 糖尿病治療の可能性まで秘めているなんてすごいですね。惜しい生き物とか言ってごめんなさいね。そういえば私、この前の健康診断で血糖値基準ギリギリだったんですよね。アベコベガエルを踊り食いしたら治るんじゃないですか?

魔理沙:
 そういうことじゃないと思いますよ……。あと、カエルは寄生虫がいることがあるから生で食べることはしないようにしましょう。

 世界最大級の大きさを誇るオタマジャクシから5〜7cmまでになっていくアベコベガエルが、実は医学の研究に貢献しているのが分かりました。未だに謎が多い生物ですが、非常に魅力的な生物でしたね。

 ふたりの解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。