ゼニトで3年目を迎えているマンマナ。完全復活が期待される。(C) Getty Images

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 ロシアの強豪ゼニト・サンクトペテルブルクでプレーするアルゼンチン代表DFエマヌエル・マンマナが衝撃の過去を告白した。母国メディア『Ole』に語った内容をスペイン紙『Marca』が伝えている。

 記事によると、アルゼンチンの名門リーベル・プレートの下部組織でプレーしていた時、父親を亡くしたという。

「父が亡くなった時、放心状態になった。母もすでに他界していたからね。サッカーを辞めようとも思ったし、自殺も考えた。二度ぐらいね」

 打ちひしがれる若き日のマンマナに手を差し伸べてくれたのが、リーベルだった。

「とても困難だった。(立ち直るまで)2、3か月はかかったな。でも、その苦痛から解放されることができた。リーベルが助けてくれたんだ」
 
 クラブのサポートもあり、「トップチームに昇格するという父の夢を叶える」と奮い立ったマンマナは、再びサッカーに打ち込んだ。そして、見事にその夢を叶えたばかりが、リーベルでトップデビューを飾った2014年にアルゼンチン代表に招集され、初キャップも刻んでいる。

「(父親が亡くなり)4人の兄がいるんだけど、自分のことは自分でやらなければならなくなった。急に成長した感じだった。(膝の怪我で長欠していたが)故障の辛さなんて、両親の死とは比べものにならない。電車に乗ったり、食べ物を買ったりするカネさえなかったんだ」

 最後に、リーベルからリヨン経由でロシアに渡ったマルチDFは、改めて古巣への感謝を口にした。

「いま自分があるのは、リーベルのおかげなんだ」

 度重なる怪我もあり、将来を嘱望されたキャリアがやや停滞している感はあるが、まだ24歳。プレーできる喜びを胸に、再び光り輝く姿を見せてくれるはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部