さっそく試合観戦に訪れた本田だったが、その姿が早くも地元ファンからの“ネタ”となっているようだ。 (C)SOCCER DIGEST

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 日曜日に行なわれたブラジルのリオデジャネイロ州選手権第6節、ボタフォゴ対フルミネンセの一戦。ピッチ上のゲーム展開に見てやきもきするのと同時に、誰もがメインスタンドを気にしていた。本田が姿を現わすのを待っていたからだ。

 しかし、本田が3人のボディーガードを従えて登場したのはキックオフからすでに50分もたってからだった。

 その時、すでにボタフォゴは0-2で負けていた。おまけにタイムアップを待たずに本田は会場から去った。試合中は、ひっきりなしに携帯をいじっているところをサポーターや現地メディアの試合中継カメラに見られていた。

 そんな本田の姿には、「本気でボタフォゴのことを考えているのか?」「ホンダはボタフォゴの勝敗に興味がない?」と憤る者もいたが、「きっとあまりの不甲斐なさに、試合を正視できなかったのでは」や「いやいや、もう日本に帰る飛行機を予約してるのさ」とチーム状況を皮肉る声も現地では目立っている。
 

 ファンの間では、0-3で宿敵フルミネンセに完敗したボタフォゴを揶揄する自虐ネタが目立った。SNSには本田が困惑気味な顔をしている写真とともに、「俺、移籍するチーム間違えちゃったかな??」や「ホンダが“ホンダ”に乗って逃げてしまうぞ」「ホンダがハラキリしたらどうしよう」といったコメントが殺到した。

 また、対戦相手のフルミネンセサポーターからは、「日本の皆さ〜ん、わかりましたか〜? これがボタフォゴってチームですよ!」と小馬鹿にする投稿も目立った。

 本田を欲しがっていたアルベルト・ヴァレンティン監督は、この敗戦後に解任された。結果に対して、シビアなブラジル・サッカー界ではあるが、ピッチに立つ前から日本代表MFには、猛烈な逆風が吹きつけていると言わざるを得ない。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子