【MLB】田中将大がヤンキース過去10年「最高FA」に 米メディア「効果的であり続けた」
ヤンキースは過去10年のFA市場で約1153億円を投入したという
アストロズからFAとなっていたゲリット・コール投手と、9年総額3億2400万ドル(約354億円)での契約に成功したヤンキース。「悪の帝国」と呼ばれる圧倒的な資金力を見せつけ、FA市場の主役となった。米メディアは、ポスティングシステムを利用した移籍を含むMLB各球団の過去10年間の「ベスト・ワーストFA補強」を特集。ヤンキースの田中将大投手は球団最高額にして、最高の補強という絶大な評価を手にしている。
「全MLB30球団で、過去10年のベストとワーストFA補強」と格付け企画を行ったのは米スポーツ専門テレビ局「ESPN」だった。
筆頭に登場したのはヤンキースだった。10年間のFA市場での投下額は合計10億5500万ドル(約1153億円)で、全30球団中2位。1位は宿敵レッドソックスだった。過去10年間の921勝は1位。プレーオフでは51試合戦っている。
そんなピンストライプの名門の過去10年間で最高額の契約は「Masahiro Tanaka」だった。
「ヤンキースは過去10年間のFA市場で最も金を費したチームというわけではない。それは北のライバル(レッドソックス)ということになる。10億ドルの約半分はあるオフに費やされた。彼らがタナカ、ジャコビー・エルズベリー、ブライアン・マッキャン、カルロス・ベルトランらを獲得した時だ。それなのに84勝しか挙げられなかったが、それがやや緊縮財政の時期への呼び水となった。そして、ヤンキースは史上最高のディールでコールを獲得するまで、FAで1億ドル以上費やすことはなかったのだ」
ESPNは田中の安定感とポストシーズンでの活躍を評価
特集では2014年開幕前の大補強を境にヤンキースがFA市場の主役になることはなかったと振り返っている。
そして、過去10年間最高のFA補強に田中が堂々選出された。
「途中いくつかの試練も存在した、サイ・ヤング賞候補というわけではなかったが、タナカは効果的であり続けた。シーズン平均WAR2.9。契約後の通算75勝はメジャー14位で、防御率3.75は(900イニング以上の投手で)21位だ」
移籍初年度に右肘靭帯部分断裂で離脱を余儀なくされるなど、苦難にも直面した日本人右腕だが、キャリアを通じた抜群の安定感は特集で絶賛されている。
そして、大舞台での強さが最大の評価につながっている。「彼はポストシーズンの先発8試合で、防御率1.76を誇っている。だから、ここ10年、ヤンキースがワールドシリーズに進出できていないことで、彼を責めてはいけないのだ」。ポストシーズンに輝く田中は絶大な評価を手にする一方で“不良債権”に選出されたのは、7年総額1億5300万ドル(約167億円)のエルズベリー外野手だった。
「エルズベリーの契約は最初からリスキーに見えた。2011年にモンスター級の働きを見せ、MVP投票で2位だったが、故障に苦しんでいた。2010年は18試合で、12年は74試合だった。ヤンキース1年目はWAR3.6を記録したが、そこから下り坂となった。7年契約でたった39本塁打とシーズン平均わずか74試合出場となった」
同期入団の田中と明暗くっきりの格付けとなった。(Full-Count編集部)