ルイス・ネリ【写真:Getty Images】

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素質は誰もが認めるが…「今や才能を台無しにする瀬戸際だ」

 ボクシングのWBCシルバー・バンタム級タイトルマッチは22日(日本時間23日)、前WBC世界同級王者ルイス・ネリ(メキシコ)が前日計量でリミットを1ポンド(約450グラム)オーバー。一発クリアした元IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトルコ)が実施を拒否し、試合はキャンセルになった。繰り返される体重超過に各方面から批判を集めているが、海外の専門家の中には「未来のパウンド・フォー・パウンド(PFP)キングのはずが、才能を台無しに」とだらしなさを惜しむ声も出ている。

 FOXのPPVで生中継予定だったロドリゲス戦を自らの怠慢で壊す格好となったネリ。元王者・山中慎介との2度のタイトルマッチでドーピング違反と計量超過を繰り返し、7月のフアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)戦でも1回目の計量をクリアできず、再計量に臨んでいた。

 またしてもオーバーしたネリは再計量を命じられたが、1ポンドを落とす努力を選ばず、金銭面の交渉に入り、ロドリゲスから拒否されていた。

 米専門メディア「ボクシングシーン.com」のジェイク・ドノバン記者はツイッターで「ただただとんでもない。ネリは2016年のボクシングシーン年間最優秀プロスペクトだった。私もかつて、未来のPFPキングとみなしていた。今や才能を台無しにする瀬戸際だ」と嘆いていた。

リング誌の記者も疑問呈す「なぜ昇級していなかったのか」

 30戦全勝のメキシコのハードパンチャーは将来を嘱望されていたが、今やボクシング界のダーティーファイターに成り下がっている。

 ドノバン記者のつぶやきに「同意する」と反応したのは、米誌「ザ・リング」でPFP格付け評議員を務めるアダム・アブラモウィッツ記者だ。ネリの計量失敗に対して「ネリは実際のところバンタム級ではない」とツイートしていた識者は、本人のキャリアに疑問を示している。

「私には理解できない。2度目のヤマナカ戦後に、ネリは昇級を拒否したのか。彼のパワーなら122ポンド(スーパーバンタム級リミット)でもうまくいっただろう。奇妙なキャリアの決断だ」と疑問を呈している。2018年3月山中戦の計量で2.3キロもオーバーしていたネリ。なぜこの時点で、上の階級に転向していなかったのかと専門家は改めて疑問を呈していた。(THE ANSWER編集部)