人工心臓にはいろいろな課題がありますが、その1つが1日約11万回、年間4200万回に達する拍動を代替するだけの耐久性です。その可能性を探求した集大成となるかもしれないのが、磁気浮上式インペラを用いた人工心臓です。

BiVACOR

https://bivacor.com/



This Maglev Heart Could Keep Cardiac Patients Alive - IEEE Spectrum

https://spectrum.ieee.org/biomedical/devices/this-maglev-heart-could-keep-cardiac-patients-alive

オーストラリアの生物医学エンジニアであるダニエル・ティムス氏は、クイーンズランド工科大学の学生だった2001年に人工心臓メーカー・BiVACORを創業。新たな「人工心臓」の開発に取り組んできました。その研究で生み出されたのが、650gの本体内で磁気浮上したインペラが回るという人工心臓です。

パーツ構成は以下のSketchfabで見ることができます。8つのパーツに分かれていて、このうち可動部を5番のインペラとインペラを回すモーターのみとすることで耐久性を高めています。

BiVACOR Artificial Heart - 3D model by Amerra (@amerra) - Sketchfab

素材は免疫反応をほとんど引き起こさない非腐食性材料のチタンを使用。特徴としては、遠心ポンプで血液を押し出すため一般的な人工心臓にはあるバルブがなく、基本モードで使っていると「拍動がない」点が挙げられます。しかし、臨床医が心電図を見たときに拍動が見えた方がよいということで、拍動を出すオプションが追加されたとのこと。

すでに、牛を用いた動物実験が行われていて、90日間の試験を経て健康に過ごせたことが実証されています。

今後、2019年末までに臨床段階に達したものが完成する見込みで、2020年には人を対象とした実現可能性調査の要請をアメリカ食品医薬品局(FDA)に提出する予定となっています。