宮崎文夫容疑者、まさかの「実刑なし」も 罰金・執行猶予で自由の身?
茨城県内で起きた煽り運転による事件で、宮崎文夫容疑者(43)と同乗者の喜本奈津子容疑者(51)に厳罰を求める声が、ネット上で相次いで寄せられている。
宮崎容疑者は、他県でも煽り運転を繰り返したとされるが、余罪も含めてどの程度の罪に問われるのだろうか。
「危険な運転をしたつもりはない」と供述
「車をぶつけられ、頭にきて殴った」。報道によると、傷害の疑いで逮捕された宮崎容疑者は、常磐自動車道で停車させた車の男性ドライバーの顔を殴ってケガをさせた動機について、こう供述したという。
しかし、宮崎容疑者とのもみ合いでドライバーの足がブレーキから離れたとも報じられており、元々の原因は宮崎容疑者にあるとみられている。煽り運転については、ドライバーの車が遅く、妨害されたと感じたとし、暴行容疑での立件もありうるとされているが、「危険な運転をしたつもりはない」と供述したという。
一方、交際相手の喜本容疑者は、宮崎容疑者をかくまった犯人蔵匿・隠避の疑いで逮捕され、殴る様子を携帯電話で撮影するなどしていたことから、傷害ほう助容疑での立件もあると報じられている。
ニュースのコメント欄などでは、「悪事を働いたものには厳罰を」と宮崎、喜本両容疑者への非難が相次いでおり、中には、「殺人未遂が適用されてもいい」との意見もあった。
両容疑者は、いくつかの罪に問われる可能性があるが、量刑の見通しはどうなのだろうか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は8月20日、J-CASTニュースの取材に次のような見方を示した。
3つの罪で懲役2年前後...でも執行猶予?
「被害者の方が1〜2週間ぐらいのケガの場合、執行猶予中でなければ、普通は罰金で終わります。しかし、世間で騒ぎになり、警察や検察も懲役刑を視野に捜査しているでしょう。『殺すぞ』と言っていたので、ほかに脅迫罪が考えられ、期限を越えて代車を乗り回していた横領罪もありうると思います。この3つの罪で、懲役2年前後になる可能性があります」
NHKなどの報道によると、宮崎容疑者は2018年3月、タクシー運転手に対する監禁容疑で逮捕されたが、起訴猶予になっている。また、その内容ははっきりしないが、10年前に別の監禁事件を起こしたという週刊誌報道もある。
こうした点について、若狭弁護士は、「起訴猶予は、前科ではなく前歴なので、裁判官の心証に若干関わる程度。懲役・罰金刑の前科が多いと量刑に響きますが、普通は執行猶予が付くでしょう」と言う。つまり、宮崎容疑者は、実刑にならない可能性があるということだ。
煽り行為による暴行罪は、極端な幅寄せなどの要件が必要でハードルが高く、殺人未遂はもちろん、危険運転致傷罪の可能性も低いという。
現状では、罰金の可能性も高いとし、実刑になるかどうかは余罪次第だとみている。
喜本容疑者については、逮捕容疑の犯人蔵匿・隠避は、懲役3年以下と重い罪になるが、宮崎容疑者より重い刑罰になることはないのではないかとした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)