バルサを率いるバルベルデ監督【写真:Noriko NAGANO】

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好パフォーマンスを見せたGK前川に感心「神戸は後方からプレーを作るチーム」

 バルセロナは27日、RAKUTEN Cupでヴィッセル神戸を2-0で破った。

 かつてクラブに在籍した元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ、同FWダビド・ビジャ、MFセルジ・サンペールとピッチで再会することになったが、エルネスト・バルベルデ監督は神戸の“ある日本人選手”に驚きを抱いていたようだ。

 試合直前に昨季までバルセロナに在籍していた元ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレンの神戸加入が発表されたなか、ピッチ内ではイニエスタに鋭いミドルシュート、絶妙なスルーパスでゴールを脅かされ、前半は苦しい展開が続いた。後半、スペイン人FWカルラス・ペレスの2ゴールで勝利したが、バルベルデ監督は試合後、驚きを受けた神戸の選手に触れている。

「神戸は、後方からプレーを作るチームだなという印象だった。そして、GKが素晴らしいキック力を備えているなと驚いた」

 バルベルデ監督が注目したのは、後半37分までプレーしたGK前川黛也だ。2017年に関西大から神戸へ加入した前川は、正GKキム・スンギュの壁にぶつかっていたが、18年シーズン終盤にJリーグデビュー。26日には、キム・スンギュが韓国・蔚山現代へ完全移籍することが発表され、前川の重要性はさらに増すことになった。

神戸は「これから重要なチームになっていく」と見解

 バルセロナ戦ではサポーターのチャントが禁止されていたため、ピッチの声が直接スタンドにも届く環境となっていた。絶えずスタジアムに響き続けていたのは、前川の檄だった。そして、試合序盤からフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンが果敢に前川へとプレッシングをかけていたが、世界最高峰のアタッカーの素早いスライディングを軽妙なターンでかわす足元のスキルを見せつけ、観客からどよめきも起こっていた。

 前川の与えたインパクトもさることながら、バルベルデ監督は神戸について「これから重要なチームになっていくだろうと感じた。もし私たちがミスを犯した際は、危険で難しい試合になると思った。神戸は本当に素晴らしいサッカーをするので、フェルマーレンにとっても素晴らしい移籍になったと感じている」と見解を述べている。

 もちろんリップサービスの側面もあるだろうが、イニエスタや前川の存在感が光った前半の戦いぶりは、リーグ戦で不調に喘ぐ現状を打破する希望を抱かせるものだったのは確かだ。(Football ZONE web編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)