新海誠監督、京アニ放火事件も「ひるまずにやり続けること。それが自分たちのなりわい」

2019年7月19日 20時13分

アニメーション作家の新海誠監督が、19日の都内で、新作映画「天気の子」の初日舞台あいさつで登壇。昨日のこと、アニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで起きた放火事件について「今日の公開の前に、大変痛ましい事件がありまして…」と同業者の悲劇に言及。「今日はどういう気持ちで初日を臨んだほうがいいのか」と悲痛な思いを口にした。

そして新海監督は「でも今日、皆さんのお顔を見ることができて、僕たちの仕事は、どういうことがあったとしても、エンターテインメントの作品を表現していくこと。それが、誰かを傷つける可能性もゼロではありません。でも、ひるまずに、やり続けていくことが自分たちのなりわいであり、役目でもあります。一番やりたいことなんだなぁと思っています。今日、ここにいる皆さんのお顔を見て、改めてそう思いました」と屈しない強さを見せた。

今作で描かれるのは、天候不順が拡大していった時代において、思いがけない運命に翻弄される少年と少女の物語。彼らだけが知っている世界のヒミツも醍醐味になってくるという。

監督にとって、2016年の公開作品『君の名は』から3年。その前作が興行収入・250.3億円という大ヒットを記録したこともあって、会場では、初日の動員数が比較されて「（前作との）対比で118%です」との関係スタッフからの報告もあった。

今日から全国359館、その合計・448スクリーンの公開規模でスタート。監督は今の心境について「実は、不安な気持ちがあります」と語り始め「自分が思うことを信じて作った作品ではありますが『やっぱり違うと思う』など、たくさんの意見を浴びることを予想しています。そのことが怖くもあって、でも今は、楽しみになってきた感覚もあります。なので、皆さんがこの作品を観て何を感じたのか、たくさん聞けることが出来たら嬉しく思いますね」とメッセージを発していた。

なお、壇上には、主人公の声優に起用された醍醐虎汰朗とヒロイン役の森七菜。吉柳咲良、本田翼、小栗旬らもあいさつに立っていた。

▼ 映画「天気の子」初日舞台あいさつにて