試合後、サポーターに挨拶する鹿島MF安部裕葵

写真拡大

[7.6 J1第18節 鹿島2-0磐田 カシマ]

 慎重に言葉を選ぶように話した。バルセロナからオファーを受け、その去就が注目される鹿島アントラーズMF安部裕葵は後半29分から途中出場。試合後、選手全員でゴール裏へ挨拶に行くと、最後はサポーターから「裕葵コール」が起こり、チームメイトに背中を押される形で一人前に出て深々と頭を下げた。

 バルセロナへの完全移籍が目前に迫り、この日の磐田戦がラストマッチになるのではないかとの報道もある中、試合後に報道陣に対応した安部は「決まってないけど、報道がめっちゃ出ている」と戸惑いも口にしながら、「僕一人のことではない。鹿島と僕、相手チームがあること。鹿島と代理人に任せているので、形になれば、またしっかりお話させてもらえれば」と話すにとどめた。

 正式契約に至っていない以上、話せることにも限りがある。試合後のサポーターからのコールについても「シンプルに名前を呼んでもらえるのはうれしい」とはぐらかし、その感情は胸の奥にしまった。

(取材・文 西山紘平)