「年収400万円あれば缶コーヒー買うぐらい躊躇しないだろ」に怒り相次ぐ 「まるで年収400万くらいあって当然であるかのような」
外回りが多い営業や現場で働く人にとって、缶コーヒーを飲む時間はちょっとした憩いのひとときだろう。だが、収入が少ないと缶コーヒーひとつ買うのも惜しくなるものだ。
はてな匿名ダイアリーに6月中旬、「缶コーヒー買うのに躊躇するってどんな年収?」と問いかけるエントリがあった。「それ貧困とかじゃなくて単なる強迫観念じゃね?」と書き出し、
「普通、年収400万以上あればそんなの気にしないだろ。(中略)100円に躊躇してたら何も買えないじゃん。100円以下ならいいの?」
と、投稿者はあくまで素朴な疑問として書き込んでいる。(文:okei)
「年収150万だから買わんよ。基本的にペットボトル飲料とかは買わん」
短い文だったが、「100円ぐらいの嗜好品も買えないほど貧しいの?」という上から目線のマウンティングと捉えた人は少なくない。はてなブックマークは360を超え物議を醸した。
「まるで年収400万くらいあって当然であるかのような」
「お金の価値観は人によって違うし、賃金は(同じスキル、同じ仕事でも)地域によって異なる。その辺を擦り合わせてから物を言え」
「年収150万だから買わんよ。基本的にペットボトル飲料とかは買わん」
など、カチンときた人からの反論が相次いだ。会社員の年収は400万円未満が一番多いのだから無理もない。国税局の統計(2017年)によれば、「300〜400万円」が最多(17.5%)で、次が「200〜300万円」(15.8%)。女性は「100〜200万円」(23.6%)が最多で、次が「200〜300万円」(21.7%)となっている。
女性の平均年収は生涯にわたって400万円を超えることはないし、男性も非正規雇用が多い中、「400万円が普通」という前提でものを言われれば、ムッとする人が多いことは確かだ。
実は水面下で「缶コーヒー離れ」? 価値を感じない人も多数
しかし「いまはコンビニコーヒーのほうが安くて美味い」といった声もあるように、缶コーヒーに価値を感じない人も多い。
「缶コーヒーに限らず、大して美味しくもない清涼飲料水を毎日何本も買ってる人を見ると、消費下手だなとは思ったりすることがある」
「ほぼ毎日買うとして年3万。その3万円を水筒で節約して子供の為に使いたいって親は多いだろう」
確かに、世の中水筒持ちでゴミを減らそうという空気もあるし、コンビニで豆から引きたての本格コーヒーが税込み100円で買える今、缶コーヒーは劣勢だ。そもそも自販機の缶コーヒーは100円では買えない。
今年4月にマイボイスコムが公表した「缶コーヒーに関するアンケート調査」によると、缶コーヒーの飲用頻度は、わずかながら減少傾向にある。
2014年の調査では「全く飲まない」が25.4%だったが、2019年には31.1%と、5.7ポイント増えている。人々の収入が減って苦しいと見ることもできるが、数年前から台頭してきたコンビニコーヒーの影響は大きいだろう。
コメントには、「貧乏人の方が缶コーヒー気にせずに買ってるよ」といった声もある。喫茶店に入るのではなく缶コーヒーで安く済ませたり、無駄遣いして貯蓄できない習慣を揶揄しているのだろう。缶コーヒーをめぐってここまで価値観のぶつけ合いが続くとは驚いた。