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もくじ

ー 航続距離390km、モーター出力135psに
ー 新テクノロジーが採用された高品質なインテリア
ー 50kWのDC急速充電にも対応

航続距離390km、モーター出力135psに

ルノーが第2世代のゾエを発表した。欧州で最も売れているEVの後継モデルだ。この新型では航続距離が390kmに伸び、モーターの出力も100kW(135ps)に向上した。

実質的には先代モデルに大掛かりなデザイン変更を施した新型ゾエは、今年秋に発売される。

市場は先代が発売された2012年とは大きく様変わりしており、プジョーe-208やヴォグゾール・コルサ-e、ホンダe、そしてフォルクスワーゲンID3などの競合車がひしめいている。ルノーはゾエをこれまで通り、市場で最も手頃なモデルと位置づけている。

価格はまだ発表されていないものの、先代の2万1220ポンド(約290万円)とそれほど変わらない低めの値段が付けられるだろう。

全体のサイズは先代ゾエとほとんど変わらないが、デザインはアップデートされている。

グリルやバンパーが変わったことに加え、新しいLEDのヘッドライトとテールライトが標準装備された。

内外装には新色が設定され、新しいデザインのホイールも15インチから17インチまで各種用意されている。この小型EVのルックスを現代風にすることが目的だ。

新テクノロジーが採用された高品質なインテリア

インテリアは特に大きく改良された。新しいデザインのダッシュボードには、10インチのカスタマイズ可能なデジタル・インストゥルメント・ディスプレイが、全グレードに標準装備される。

最上位スペックのモデルは、9.3インチのカーブしたタッチスクリーン式インフォテインメント用ディスプレイを搭載。これは新型クリオに装備されたものと似ており、ルノーのイージー・リンクと呼ばれるコネクテッド・テクノロジーが採用されている。近くの充電ポイントへ案内したり、またその充電施設が使えない場合はリアルタイムで教えてくれる。

新しいスマートフォン用アプリを使えば、乗車前に車内の温度を暖めたり冷やしたりしておくことも可能だ。

刷新されたインテリアには、質感の高い素材が使われており、より高級な雰囲気をゾエに与えている。シート表皮のファブリックは100%リサイクルから作られたものだという。

電子式のシフトレバーとパーキングブレーキ、スマートフォン用ワイヤレス充電機能、遮音性に優れたフロントガラスなども新たに採用。車内の物入れスペースも増えている。

50kWのDC急速充電にも対応

新型ゾエの開発で最も重点的に行われたのはパワートレインだ。先代はモデルライフの間に何度かアップグレードされ、最終的に最もハイスペックなバッテリーパックの容量は40kWhに達したが、新型ではさらに52kWhに増大。これによってWLTP試験による航続距離は、ルノーの発表によれば390kmになるという。

ルノーは新型ゾエに、従来のタイプ2やAC充電に加え、CCSプラグを使って50kWでDC充電できるシステムを採用した。フロントのバッジを開けるとこの充電ポートが備わる。

自宅用に7kWのウォールボックス充電器もオプションで用意されており、これを使えばバッテリー残量0%から100%まで9時間25分で充電できる。夜間のうちに8時間ほど充電しておけば、翌日には約300kmの距離を走れるようになるという。

新型ゾエには、2種類の出力が異なるモーターが用意されている。ベース・ユニットは先代から引き継いだ80kW(108ps)で、高性能版の方は100kW(135ps)となる。この高出力モーターは最大トルク25.0kg-mを発生し、ルノーによれば0-100km/hを10秒以下、80km/hから120km/hまで7.1秒で加速できるという。最高速度は140km/hに達するとのこと。

シャシーの変更点は少ない。ルノーによればスプリングとダンパーのレートが見直され、ゾエで初めて四輪すべてにディスクブレーキが装備された。