ロシア・ワールドカップ以来、日本代表に招集された昌子。写真:滝川敏之

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 2019年3月14日、コロンビア戦(同22日)とボリビア戦(同26日)に臨む日本代表のメンバー23名が発表された。
 
 1月に開催されたアジアカップから13名が入れ替わった、いわばフレッシュな面子となった。改めて顔ぶれを見ると、GKは東口順昭(G大阪)、シュミット・ダニエル(仙台)、中村航輔(柏)、DFは西大伍(神戸)、佐々木翔(広島)、昌子源(トゥールーズ)、室屋成(FC東京)、三浦弦太(G大阪)、安西幸輝(鹿島)、畠中槙之輔(横浜)、冨安健洋(シント=トロイデン)、MFは乾貴士(アラベス)、香川真司(ベジクタシュ)、山口蛍(神戸)、小林祐希(ヘーレンフェーン)、宇佐美貴史(デュッセルドルフ)、柴崎岳(ヘタフェ)、中島翔哉(アル・ドゥハイル)、南野拓実(ザルツブルク)、守田英正(川崎)、堂安律(フローニンヘン)、FWは鈴木武蔵(札幌)、鎌田大地(シント=トロイデン)となる。
 
 ちなみにアジアカップから外れた選手は、権田修一(GK)、長友佑都、塩谷司、酒井宏樹、槙野智章、吉田麻也(いずれもDF)、遠藤航、原口元気、伊東純也、青山敏弘(いずれもMF)、北川航也、武藤嘉紀、大迫勇也(いずれもFW)だ。このうち、アジアカップでの主力が権田、長友、酒井、吉田、遠藤、原口、大迫の7人。そう考えると、今回招集されたメンバーは決してベストではない。
 
 森保監督もメンバー発表の席で「少しのメンバーだけでなく、より多くの選手に厳しい戦いを経験していただいて、チームとしてのコンセプトを理解してもらって将来の戦いに生かしていけたらと思います」とコメントしているように、3月シリーズは来たるワールドカップ予選に向けたテスト第一弾と捉えるべきだ。

 実際、今回は安西、畠中、鈴木、鎌田とA代表初招集が4人もいて、いわゆる復帰組も香川や昌子など複数いる。これまで試せなかったタレントを組み込んで、柴崎、堂安、南野らとの相性を見るのが3月シリーズのテーマのひとつになりそうだ。
 
 個人的に注目したいのは、ロシア・ワールドカップ以来の代表招集となった昌子。実力的には森保ジャパンでもレギュラーを張れるCBで、3月シリーズでは2試合とも先発するはずだ。よほどここでミスを繰り返すか、怪我でもしないかぎり、3月の連戦が終わっても代表招集される可能性が高いと考えている。
 
 そうと仮定して、CBの序列は今後どうなるのか。吉田は不動として、2番手争いが昌子と冨安となりそうだが、このうちひとりをベンチに置くのは勿体ない。さらに言えば、CBには今回未招集ながら植田直通(サークル・ブルージュ)もいるし、選手層に厚みが出てきている。
 
 一方でサイドバックは右こそ酒井、室屋、西と人材がいるように映るが、長友に依存気味の左サイドバックは……。右サイドバックとの比較で言えば、若干不安が大きいか。いずれにしても、サイドバックは右も左も、CBに比べて選手層が薄いだろう。
 
 そうした背景を踏まえると、3バックもありなのではないかと思う。吉田、冨安、昌子の3人を同時起用できるし、その意味で、飛躍的な考え方かもしれないが、今回の昌子招集は3バック採用への布石との見方もできるかもしれない。
 
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)