森保一監督(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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16日のベネズエラ戦、20日のキルギス戦の2試合で、森保一監督は独自の色をちゃんと出していました。というのも、経験のある東口順昭を除いてすべての選手を起用したのです。これは、今までの監督に、招集したけれども使わない選手がいたことを考えると異色でした。

ただし、キルギスとの実力差を考えると、たとえば山中亮輔は初出場初ゴールを決めましたが、この試合で活躍したからと言ってすぐ高評価につながるとは思えません。たとえ日本代表で試合に出るのが初めてでも、しっかり圧倒しなければいけない相手でした。

それでも、森保監督はこの11月の2試合で、アジアカップのメンバーを70パーセントぐらい固めたのではないかと思います。なぜ100パーセントではないかというと、やはり問題点の克服には至らなかったからです。

このチームが抱えている課題は、これまでほぼ不動のメンバーが務めていたポジションの代わりが見つかっていないことです。大迫勇也がいなければ誰が出るのか、長友佑都が出られなければ代役は誰か、代表を引退した長谷部誠の役は誰が担うのか。ここ数年日本が試してこなかったことの代償を、森保監督が払わなければなりません。

また、乾貴士や香川真司がこれから調子を上げていけば、当然メンバーに入れるべきでしょう。さらに戦術的な多様性も考えなければいけなくなります。アジアカップで引いて守る相手に対して日本はどうするのか。背の高い選手を使うのか、あるいは密集でのコンビネーションをさらに上げるのかで、監督が選ぶ選手は変わってきます。

つまり、森保監督は「基本的にこれまで招集した選手を中心にアジアカップに臨んでいく」と語っていましたが、僕はまだまだ別の選手が選ばれる余地も残っていると思うのです。その意味で、これまでに声がかかっていない選手でも諦める必要はないと思いますし、そういう海外組の選手の奮起を期待したいと思います。