大谷翔平「トミー・ジョン手術」最後まで抵抗するも受け入れ
エンゼルスの大谷翔平(24)が、10月第1週に右肘の靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けることを発表した。
大谷は、日本時間9月6日にMRI検査で新たな損傷が見つかり、エンゼルスのチームドクターから手術をすすめられていた。しかし、手術は避けたいというのが大谷の本音だった。
「トミー・ジョン手術を受ける前に、(日本ハム時代のチームドクターである)同愛記念病院の土屋正光名誉院長の診断を受けたい」
米経済誌「フォーブス」が報じた、大谷の「日本の医師にセカンドオピニオンを求めたい」という発言が、エンゼルス内で大きな物議を醸した。
「エンゼルスのチームドクターは、大谷が長く活躍するには、手術が最適との判断を下した。それでも大谷が日本の医師に頼るということになれば、エンゼルス側は『我々を信用しないのか』となる。これまでは相思相愛の関係だったが、この発言によって関係が崩れかねない」(現地記者)
元メジャーリーガーのマック鈴木氏は、「大谷は順番を間違えた」と指摘する。
「セカンドオピニオンを希望することを、最初にエンゼルスに伝えていれば問題はなかった。チームドクターが判断しているのに、ほかのドクターに聞きたいとなれば、おもしろくない。それと、日本と米国の手術するレベル、意識の違いもあると思う。
日本ではまず休ませる。それから判断するが、米国ではそうしない。ダメージが出ているので、これ以上よくなることはない。だったら、早めに手術しておこうというわけです」
大谷といえば、これまでは優等生発言が目立ち、どちらかといえば自分の意見を強く押し出すことはなかった。その彼が、今回に限ってなぜセカンドオピニオンを求めるのか。そこには、「日本人投手とトミー・ジョン手術の相性の悪さが関係している」と、日ハム関係者は語る。
「これまでも多くの日本人投手が手術を受けているが、手術後に成績が上がったケースは少ない。3度も手術を受けた大塚晶文は、結局メジャー復帰ができなかった。松坂大輔と和田毅の2人は、全盛期とはほど遠いピッチングに終始している。ダルビッシュ有も球威は戻ったものの、今季は右肘炎症でクリーニング手術を余儀なくされている。
一方で、手術をすすめられながら回避した田中将大は、今季で5年連続して12勝以上をマークするなど、いまやヤンキースのエースとなった。大谷本人も、『ダルビッシュさんや田中さんの例もあるし……』と近しい関係者に漏らすなど、手術をすすめる球団に疑心暗鬼になっていた。
これまでも手術を受けた場合、成功する確率が70%、無理をすると再発する確率が30%というデータがある。そのデータを考えて、大谷はなかなか手術に踏み切れなかったのだろう」
大谷がセカンドオピニオンを求めた同愛記念病院関係者が明かす。
「昨年、同病院でPRP注射の治療を受けたことは事実です。右肘内側に自分自身の血小板を注入して、悪化した箇所の修復、再生をおこなった。 その時点で、手術の必要はないとの判断が下されました」
一度は手術が必要ではないと診断されていた大谷の肘。手術は吉と出るか、凶と出るか――。
(週刊FLASH 2018年10月9日号)