盛大に行なわれた入団発表会見。本田は中継での登場となったが、オーストラリア国内の関心度の高さが窺い知れた。(C)Getty Images

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 オーストラリア・Aリーグの強豪、メルボルン・ビクトリーへの入団が決まった本田圭佑。契約は1年限定。推定年俸は290万豪ドル(約2億3780万円)とされ、これはクラブが130万豪ドル(約1億660万円)を、残りの160万豪ドル(約1億3120万円)をオーストラリア・サッカー連盟と豪メディア『Fox Sports Australia』が支払う。一説には総額360万豪ドル(約2億9520万円)とも。いずれにせよ、同国サッカー界を挙げての一大プロジェクトだ。
 
 出資元のひとつである『Fox Sports Australia』の名物コメンテイター、サイモン・ヒル氏は、「アレッサンドロ・デル・ピエロ以来の大物がやって来た。ケイスケ・ホンダは真のクオリティーを持つトッププレーヤーだ」と称え、こう続けている。
 
「ホンダがAリーグでプレーするなんてファンスタスティックの一語に尽きる。これまで我々はアジアの選手をあまり重視してこなかったが、シンジ・オノ(小野伸二)の後継である日本のビッグスターが参戦する事実は実に意義深い。Aリーグのアジアでの人気や知名度アップにも大きな貢献を果たすだろうし、ホンダにはその役割を担ってほしい」

 
 本田は各クラブが数名だけ保有できるマーキー・プレーヤーとして迎えられる。言うなればサラリーキャップで、給与の上限が設定されていない“スター枠”だ。ヒル氏は今回の本田の獲得が端緒となり、10月のAリーグ開幕までにさらなるビッグネームが流入してくると見込んでいる。
 
「ホンダは始まりに過ぎない。巨大なブロックを作るうえでの最初のひとつに、リーグ繁栄への礎となってくれたのだ。ここからさらに3人、4人、5人と増えていくと確信しているし、Aリーグはもはやそうしたタームに差し掛かっている。ホンダは我々が迎える、アレッサンドロ・デル・ピエロ以来の大物である。彼を皮切りによりいっそうの発展を、複数のマーキー・プレーヤーとともに実現しなければならない」
 
 そして日本が誇るカリスマをこう持ち上げるのだ。
 
「名前を聞くだけでファンを熱くさせる男だ。ホンダはサッカーファンなら誰でも観たい選手であり、彼の世代ではアジアで一番、日本で一番の選手に違いない。本物の質を伴っていなければ、日本代表で100キャップなど刻めないのだ(実際の数字は98キャップ)」
 
 正式発表前には東京オリンピックへのオーバーエイジ枠での出場に意欲を見せ、少なくともそれまでの2年間は現役を続行すると宣言。ケイスケ・ホンダは、まだまだ世界的な関心を集めることになりそうだ。