大谷翔平の「故郷」に、大リーグ移籍後の予定を聞いてみた
大リーグ・エンゼルスにて2018年からプレーし、海外でも投打の二刀流で活躍をしている大谷翔平選手(23)。大谷選手は岩手県奥州市出身で、花巻東高校(岩手県花巻市)を経てプロ野球・日本ハムに2012年に入団した。
活躍が著しい大谷選手だが、地元では大谷選手を起用して観光を促進させるような取り組みは行っているのか。Jタウンネット編集部は2018年5月上旬、奥州市と花巻市に聞いてみた。
奥州市には「右手の握手像」がある
2017年1月撮影
まずは、出身地の奥州市から。市の商工観光部商業観光課に話を聞いた。
奥州市役所と伝統産業会館内には、大谷選手本人の右手をもとにした「握手像」が設置されている。同市の伝統工芸品「南部鉄器」の技術を用いたもので、像の上部には、日本ハム時代の紹介文や写真などを表示するディスプレイがある。市内の南部鉄器・鋳物関連会社44社から構成されている組合と市が、2016年末から共同開発し、17年4月に完成した。
この握手像の事業は組合側から持ちかけられたという。
「南部鉄器の振興と、国内外へPRする目的で話が始まりました」(商業観光課担当者)
握手をしに訪れるのは、どちらかと言えば年配の女性が多く、市外・県外から電話で問い合わせが来たこともあったという。エンゼルスに移籍してから、何か新たに取り組むことはあるのかと尋ねると「今後はまだ何も決まっていません」と話した。
声で大谷選手が出演
奥州市では、商業観光課のほか、総務企画部の元気戦略室でも、大谷選手を起用している。
2015年2月からYoutubeで配信されている「『食の黄金文化・奥州』〜The True Taste of OSHU 〜」。男児が大谷選手を目指すかのようにバットを振り回したり、テレビに映る大谷選手を見て、ご飯を元気いっぱい食べる様子が映されている。冒頭に流れる一文「僕の生まれた故郷、岩手県奥州市」では大谷選手本人が声で出演している。
動画は、農業が盛んな奥州市と農産物のPRを通し、生産者に目を向けてもらおうという狙いで、元気戦略室と、市内のホームページ制作会社「JAZZRIZE DESIGN」が共同で企画・製作を行った。
「あくまでも生産者に目を向けてもらいたいという狙いがあり、それの一助として大谷選手を起用した」(元気戦略室担当者)
その後も同様の趣旨で動画は作られたが、大谷選手は起用されなかった。今後については「大谷選手を起用するかは未定」だと話した。
花巻市では展示を予定
また、高校時代を過ごした花巻市では、グッズ販売は行わず、あくまでも展示にとどめるという。
「現在、花巻市内にある駅構内で、大谷選手だけでなく、花巻市に馴染みのある選手のグッズやパネルを展示する取り組みを始めようとしています。早ければ今年度中に開始の予定です」(花巻市観光課担当者)
「オオタニサーン」と海外現地では親しまれている大谷選手と、故郷での取り組みに今後も注目が集まりそうだ。