「DeepFake」その恐るべき可能性: 情熱のミーム 清水亮
今月の頭に突如あらたなインターネットミームが世界を席巻した。
その名も「Deep Fake」
ディープラーニングを使って顔を転写するという新手法だ。
これが誰にでも使えるWindowsアプリや、便利なチュートリアルが急速に整備され、みんなニコラス・ケイジやドナルド・トランプの動画で遊び始めた。
Youtubeでdeepfakeで検索すればすぐに様々なDeep Fakeを見ることが出来る。
そしてDeepFakeが流行り始めてから一ヶ月もしないうちにハリウッド女優たちのフェイクポルノが無数に作られ、収集がつかなくなり、Redditがいち早く禁止措置をとるという事態に進展した。
DeepFakeによる二次創作が肖像権とか数え切れないほどの「知的財産権」に深刻な影響をもたらすことは明らかだ。
かねてからこういう事態がいずれ起きるであろうことは予想していたが、いまのところは現行の知財法でカバーできる範囲だと思う。
こうした流れはもっと加速するだろう。
アングラ的な使い方を心配するよりもポジティブな可能性を考えたほうが良い。
しかし同時にこうした技術には新しい可能性を切り開くポテンシャルがある。
たとえば、若き日のハン・ソロを演じるのは、できれば若き日のハリソン・フォードで見たいだろう。
僕のお気に入りは So Low という作品(?)で、今年公開される新たなスターウォーズ外伝「SOLO」の役者の顔を若き日のハリソン・フォードで置き換えたものだ。
この違和感の無さはちょっとすごい。
唯一の難点といえば声だが、「画像に適用可能なことはどんなデータにも適用可能である」というディープラーニングの第一原則(勝手に命名)に従えば、そのうち「Deep Fake Voice」も作られるだろう(たぶん声だと派手さに欠けるからだれもやってないだけだと思われる。意外と面倒だし)
とするとどういうことがおきるか。
この違和感のなさというのは、「スターウォーズ ローグワン」のキャリー・フィッシャーを超えているという気さえする。
だとすると、たとえば旧三部作をまるごとオリジナルキャストで撮影しなおすこともできるかもしれない。
背格好の似た役者を用意して、声と顔を転写する。声が難しい場合は、もとの音声をそのまま使うという荒業も使えるだろう。
ルーカス自身がなんども「特別編」と称して蛇足を付け加えまくったことを考えると、一度整理したほうがいいというアイデアはそう悪くないはずだ。
役者は役作りのために過酷なダイエットやトレーニングをする必要すらなくなる。
一度役者として成功して名前と顔が売れれば、あとは有名ではないけれども演技にはキレがある二流の演者に演技を任せることができるだろう。それはそれでお互いハッピーなのではないか。
ビデオ会議とかも、できれば自分の最も良い状態をPhotoshopとかまあそのあたりで加工して作り直したものを使うようになるかもしれないし、Vtuberの人たちも、そのうち勝手にニコラス・ケイジの顔で喋り始めるかもしれない(それはだいぶ面白い)。
今この瞬間は違法だが、違法でなくなる使い方というのはいくらでもできる。
世の中には売れたいけど売れなくて困っているアイドルの卵とか役者の卵とかが無数にいるので、そういう人たちに「フリー素材」として自分の姿形を提供して、「コンテンツ(中身)の面白さ」と「パッケージ(外見)の魅力」を分業できる日がくるかもしれない。
特に、外見で魅力的な人間は男女問わず数多いが、決定的に違うのはコンテンツだったりする。
要は「可愛いけど面白くない」場合は可愛さがよっぽど神がからないと売れない。当たり前である。それでも売れる上限はけっこう低いだろうと思われる。
「可愛くないけど面白い」はまだ売れる余地がある。
それでも、よっぽど面白くないとダメ、というのは当然だ。
そうすると「可愛くて面白い」が両立する人というのは世の中にはほとんど全くゼロに近い。
ということは、逆に考えて、「可愛くて面白い」人工人格を作り出すことが不可能かといえばそんなことはないはずだ。
Youtubeとかで自分の顔を晒すのはちょっと・・・という人でも、むしろ晒したいけど面白いことを考えつかない・・・という人でも、うまくパートナーを見つければ二人でひとつの人工人格を作ることが出来るかもしれない。
さて、顔の転写はインパクトが凄いのだが、これは当然、顔以外にも使うことが出来るはずである。
(ただし歴史的に顔の識別が最も研究されているので顔以外に使おうとすると相手(内容)を選ぶはずだ)
たとえば、自動車
映画ではでに壊れるスーパーカーをCGにふき替えるための専用の自動車がある。
この入れ替えも今は半分人力でやっているが、DeepFakeが発展すれば好きな形に変更できるようになるかもしれない。
映像制作に限らず、DeepFakeは様々な分野に応用が効くはずだ。
まあ、DeepFakeというか、CycleGANが様々な分野に応用できるという話だけど。
しかしAIも歴代の技術革新のご多分に漏れず、やはりポルノから新しいインターネットミームを生み出したのかと思ってしまう。
それまでコンソールを叩く専門家しか使えなかったCycleGANがあっという間にWindows用の簡単なクライアントアプリまで開発されて配布されてしまったのには驚いてしまった。
その名も「Deep Fake」
ディープラーニングを使って顔を転写するという新手法だ。
これが誰にでも使えるWindowsアプリや、便利なチュートリアルが急速に整備され、みんなニコラス・ケイジやドナルド・トランプの動画で遊び始めた。
Youtubeでdeepfakeで検索すればすぐに様々なDeep Fakeを見ることが出来る。
DeepFakeによる二次創作が肖像権とか数え切れないほどの「知的財産権」に深刻な影響をもたらすことは明らかだ。
かねてからこういう事態がいずれ起きるであろうことは予想していたが、いまのところは現行の知財法でカバーできる範囲だと思う。
こうした流れはもっと加速するだろう。
アングラ的な使い方を心配するよりもポジティブな可能性を考えたほうが良い。
しかし同時にこうした技術には新しい可能性を切り開くポテンシャルがある。
たとえば、若き日のハン・ソロを演じるのは、できれば若き日のハリソン・フォードで見たいだろう。
僕のお気に入りは So Low という作品(?)で、今年公開される新たなスターウォーズ外伝「SOLO」の役者の顔を若き日のハリソン・フォードで置き換えたものだ。
この違和感の無さはちょっとすごい。
唯一の難点といえば声だが、「画像に適用可能なことはどんなデータにも適用可能である」というディープラーニングの第一原則(勝手に命名)に従えば、そのうち「Deep Fake Voice」も作られるだろう(たぶん声だと派手さに欠けるからだれもやってないだけだと思われる。意外と面倒だし)
とするとどういうことがおきるか。
この違和感のなさというのは、「スターウォーズ ローグワン」のキャリー・フィッシャーを超えているという気さえする。
だとすると、たとえば旧三部作をまるごとオリジナルキャストで撮影しなおすこともできるかもしれない。
背格好の似た役者を用意して、声と顔を転写する。声が難しい場合は、もとの音声をそのまま使うという荒業も使えるだろう。
ルーカス自身がなんども「特別編」と称して蛇足を付け加えまくったことを考えると、一度整理したほうがいいというアイデアはそう悪くないはずだ。
役者は役作りのために過酷なダイエットやトレーニングをする必要すらなくなる。
一度役者として成功して名前と顔が売れれば、あとは有名ではないけれども演技にはキレがある二流の演者に演技を任せることができるだろう。それはそれでお互いハッピーなのではないか。
ビデオ会議とかも、できれば自分の最も良い状態をPhotoshopとかまあそのあたりで加工して作り直したものを使うようになるかもしれないし、Vtuberの人たちも、そのうち勝手にニコラス・ケイジの顔で喋り始めるかもしれない(それはだいぶ面白い)。
今この瞬間は違法だが、違法でなくなる使い方というのはいくらでもできる。
世の中には売れたいけど売れなくて困っているアイドルの卵とか役者の卵とかが無数にいるので、そういう人たちに「フリー素材」として自分の姿形を提供して、「コンテンツ(中身)の面白さ」と「パッケージ(外見)の魅力」を分業できる日がくるかもしれない。
特に、外見で魅力的な人間は男女問わず数多いが、決定的に違うのはコンテンツだったりする。
要は「可愛いけど面白くない」場合は可愛さがよっぽど神がからないと売れない。当たり前である。それでも売れる上限はけっこう低いだろうと思われる。
「可愛くないけど面白い」はまだ売れる余地がある。
それでも、よっぽど面白くないとダメ、というのは当然だ。
そうすると「可愛くて面白い」が両立する人というのは世の中にはほとんど全くゼロに近い。
ということは、逆に考えて、「可愛くて面白い」人工人格を作り出すことが不可能かといえばそんなことはないはずだ。
Youtubeとかで自分の顔を晒すのはちょっと・・・という人でも、むしろ晒したいけど面白いことを考えつかない・・・という人でも、うまくパートナーを見つければ二人でひとつの人工人格を作ることが出来るかもしれない。
さて、顔の転写はインパクトが凄いのだが、これは当然、顔以外にも使うことが出来るはずである。
(ただし歴史的に顔の識別が最も研究されているので顔以外に使おうとすると相手(内容)を選ぶはずだ)
たとえば、自動車
映画ではでに壊れるスーパーカーをCGにふき替えるための専用の自動車がある。
この入れ替えも今は半分人力でやっているが、DeepFakeが発展すれば好きな形に変更できるようになるかもしれない。
映像制作に限らず、DeepFakeは様々な分野に応用が効くはずだ。
まあ、DeepFakeというか、CycleGANが様々な分野に応用できるという話だけど。
しかしAIも歴代の技術革新のご多分に漏れず、やはりポルノから新しいインターネットミームを生み出したのかと思ってしまう。
それまでコンソールを叩く専門家しか使えなかったCycleGANがあっという間にWindows用の簡単なクライアントアプリまで開発されて配布されてしまったのには驚いてしまった。