Amazonがエロチック小説をランキングからひっそり外していっていることが判明、基準は不明
by Mickael Gresset Follow Message
独立系エロチカ小説家たちやSNSの間で「Amazonはひっそりと官能小説に関するポリシーを変えているのではないか」というウワサが広まっていました。Motherboardが取材を行ったところ、これらの作家たちの作品は「閲覧注意作品」として、メインストリームが扱われるAmazon Best Sellers Rank(Amazonランキング)から外されたことがわかりました。
https://motherboard.vice.com/en_us/article/bjpjn4/amazon-erotica-best-seller-rankings-removed
エロチックな内容を含む小説がランキングを外される基準は定かではなく、「エイリアンの振動するペニスと紫色ですみれの砂糖漬けの味がする精液」について描写したAnn Mayburnさんの作品はまだランキングに入っているとのことですが、一方で「BDSMの恋愛」について書いた小説は「エロチカ」のラベルを貼られてランキングから外されたそうです。
by Ronaldo Oliveira
また、別の作家は自分のシリーズ作品について「エロチカ」のタグがつけられランキングを外されたため、Amazonと連絡を取った結果、以下のようなメールを受け取っています。
「私たちはあなたの作品を再評価し、作品に性愛あるいは性的に露骨なコンテンツが含まれていることを確認しました。私たちは本が正しいカテゴリに置かれた時に、コンテンツを探しているお客様の目に触れることが多くなると理解しています。加えて、私たちはお客様の検索体験をよりよくしようと試みています。あなたの本を現在のカテゴリから削除するには、性愛あるいは性的に露骨なコンテンツを削除し、新たなASINとして再提出が必要です」
Amazonランキングのアルゴリズムの一部は検索結果での作品の現れ方や、オススメ商品、広告として表示されるかに影響しており、独立系作家にとってランキングは作品が人の目に触れるための重要な要素でした。
同じく自身のシリーズ作品がランキングから削除され「恋愛」カテゴリからも外されたJenny Troutさんは過去3年間でAmazonを通して50万部の作品を売り上げていますが、他の販売方法では全てを合わせても売上は3万5000部ほどだといいます。「Amazonなしでは生計を立てられない独立系作家にとって、これはありえないことです」「しかしAmazonは民間企業なので、何でも好きなように決断できます。なので私たちにできることは消費者の立場から苦情を言うことだけです。これは検閲ではなく、ただ単に最低な出来事なので、頼れるものはないのです」と語りました。
by Marvin Meyer
今回のAmazonの行動は事前に通知があったものではなく、「何が行われているのかがわからない」という点が、作家たちを困惑させている1つの要素となっています。Mayburnさんは「私たちは実業家なのでマーケットに順応します。これまでもAmazonのばかばかしい行動を経験してきたので、予想の範囲内ではあります」「Amazonは私の本の売上から分け前を取り、私は使用料を払いますが、彼らはメールにさえ答えません」と自身の状況について語りました。
なお、MotherboardはAmazonにコメントを求めましたが、連絡はないとのことです。