中国の高速鉄道にかける情熱は並々ならぬものがある。常に革新を繰り返し、最速や最長という言葉がニュースをにぎわしている。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国は高速鉄道の分野で「日本に追いつき、追い越した」と主張している。海外への輸出でも中国は日本をライバル視しているが、中国メディアの高鉄網はこのほど、「製造から創造までわずか10年、中国が日本への逆襲に成功した理由」と題して中国高速鉄道を称賛する記事を掲載した。

 中国の高速鉄道にかける情熱は並々ならぬものがある。常に革新を繰り返し、最速や最長という言葉がニュースをにぎわしている。記事は、営業距離ですでに世界の3分の2を占めていると紹介し、特に近年では高速鉄道分野での「中国基準」にこだわっているのだという。

 記事によると、ある工業分野において日本基準や欧州基準と言うとき、その国がその分野の先駆者であることを示しているという。プライドの高い中国は、「中国基準」にこだわるようで、中国高速鉄道の新型車両である復興号の場合、84%が中国基準であり、本物の中国製高速鉄道だと誇らしげに紹介した。

 記事は、過去において高速鉄道分野で先頭を立っていたのは日本で、欧州がそれに続いていたが、「今では中国が世界の先頭に立っている」と主張。当時高速鉄道技術はゼロだった中国が、わずか10年で製造から創造を成し遂げ、ブレークスルーを成し遂げたと主張し、いかに偉業かを強調した。また、中国の成功は、世界に輸出していることから各国からも認められていると論じた。

 では、これからの中国高速鉄道はどこに向かうのだろうか。記事は、今後は無人運転や時速600キロの次世代車両を見据えていると紹介。「製造から創造」へと立場の変化した高速鉄道は、もはや移動の道具という範疇を超え、中国の製造業の成功例として各分野にはっぱをかける存在にもなっている、と中国人にとって自信の源になっていると伝えた。

 中国は国のイメージを刷新するべく、高速鉄道に力を入れていることが感じられる。2011年に大きな事故を起こしたものの、その後は死亡事故もなく運営面でも実績を作りつつある。海外での受注競争で日本は中国高速鉄道と熾烈な争いを繰り広げているが、中国は今後ますます手強くなるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)