代表デビューの宇賀神、PKを献上して失点する厳しい現実に直面【写真:Getty Images】

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30歳の誕生日に代表デビューも、PKを献上して失点する厳しい現実に直面

 30歳の誕生日に果たした日本代表デビューは、悔しさばかりが残る結果になった。

 日本代表は23日の国際親善試合マリ戦を1-1で引き分けたが、右サイドバックのスタメンにDF宇賀神友弥は、前半終了間際にPKを献上してハーフタイムに交代。「経験不足だった」と自らのプレーを悔やんだ。

 今回のベルギー遠征は、右サイドバックのレギュラーであるDF酒井宏樹が負傷で帯同できず。浦和のチームメイトであるDF遠藤航は股関節の負傷で試合出場は難しい状況で、後半から出場したDF酒井高徳もメンバー発表時にバヒド・ハリルホジッチ監督が「問題を抱えている」と、万全の状態でないことを示唆していた。

 そんななか、浦和では左サイドを務める宇賀神に右サイドバックとして白羽の矢が立ったが、ピッチ上では長く厳しい45分間が刻まれた。

 前半14分に右サイドから中央に入れたパスが通らずに大ピンチを招くと、後方からのタックルでイエローカードも受けた。さらに前半終了間際、ペナルティーエリア内を横切るこぼれ球をクリアしようと足を振ったが、相手が先にボールに触れ、宇賀神の足が相手にヒット。これがファウルとなり、PKを献上してしまった。

 宇賀神は「経験不足だった」とファウルを振り返り、自分の交代がチームに与えた別の悪影響についても反省の言葉を残している。

「長くプレーすれば前線の選手にチャンスを与えられた」

「アフリカの選手がああいうところで足が伸びるというのを、自分はあまり経験してこなかったので、経験不足だったと思う。もっと長くプレーしなければいけなかったし、サイドバックなので、自分が長くプレーすれば前線の選手にチャンスを与えられた。最後に追いついてくれたけど、失点に絡んでしまったのが本当に残念です」

 宇賀神は浦和ユースからトップ昇格を勝ち取れず、流通経済大へ進学。そこでもなかなか試合に出られず「もうプロにはなれない」と思った逆境から這い上がって浦和入団を掴み取った。ガムシャラにプレーしてばかりだった若き日に、当時の同僚だったブラジル人MFロブソン・ポンテに駆け引きの重要性を説かれ、チームメイトを生かすプレーを身につけた。昨秋、ロシア・ワールドカップアジア最終予選のイラク戦を控えたチームに初招集されるも出場機会はなく、30歳の誕生日を迎えたこの日が遅咲きの代表デビューだった。

 完全に苦い思い出になってしまったデビュー戦だが、プロ入りを掴んだリバウンド・メンタリティーを再び発揮できるだろうか。(Football ZONE web編集部)