カリスマ投資家の内田衛氏は「早稲田大学の資産運用本格化」報道を聞き、 この種の報道が出ること自体「バブルの最終局面」と推察。強い相場はまだ続くのだろうか(写真:Mugimaki / PIXTA)

世界的な株高はいつまで続くのか。日本株も依然好調だ。そんななか、カリスマ投資家の内田衛氏の1月の成績はどうなのだろうか。「バブルの最終局面」という認識があるからなのか、取引は限定的。むしろ「株は安値で買うもの」というスタンスを貫いているようだ。さらに、今後の相場についてはどう見ているのか。いつものように投資日記で振り返ってみよう。

【1月3日 水曜日】NYダウは、104ドル高の2万4824ドル。

ふるさと納税が「すごいこと」に


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【1月4日 木曜日】米国のCME日経先物は、370円高の2万3140円、NYダウは、98ドル高の2万4922ドル。

日経平均株価は、741円高の2万3506円と、大発会からビックリの爆上げ状態。11月9日ザラバ(取引時間中)高値2万3382円をあっさり上抜いてきた。こんなに爆上げしているのに、優待目的保有のすかいらーく(3197)は、10円安の1593円。超出遅れの日本郵政(6178)も、ようやく10円高の1302円と反発。

【1月5日 金曜日】日経225先物は、200円高の2万3610円、NYダウは、152ドル高の2万5075ドルと初の2万5000ドル台。昨日、上がらなかったすかいらーくが、21円高の1614円の高値引けで、12月27日の権利落ち日の終値1614円と並ぶ。日経平均は、208円高の2万3714円と大幅続伸。

【1月6日 土曜日】日経225先物は、90円高の2万3810円、NYダウは、220ドル高の2万5295ドルと4日続伸。1ドル=113.05円。2017年12月の米雇用統計(非農業部門)は14.8万人増。失業率4.1%で好調続く。

前回、3回目のふるさと納税をして、山形県寒河江市のお礼の品「田舎そば200g×40束(業務用セット80人前)」の寄付金額が、1万円から1万5000円にアップしていると書いた。だが、それ以上のものがあった。2年前に茨城県坂東市に1万円を寄付して、お礼にもらった「深蒸し茶2.5kg」がなくなったので、再度坂東市に寄付をしようとしたら、寄付金額が、1万7000円にアップしていた。日銀の黒田東彦総裁もビックリな「5割、7割当たり前の寄付金インフレ」となっている。

2017年の4月に総務大臣から出された通知「ふるさと納税返礼品は納税額の3割以内に」によって、ふるさと納税バブルは「崩壊」した。しかし、おコメなどに関しては、寄付金インフレは起きていないようだ。寄付金とお礼の「相場」は、「寄付金1万円で10kg」、といったところだが、「期間限定」などと謳って、増量して「20kg」(茨城県境町)となっていたので、注文した。

おコメを返礼品にしている自治体は多く、おコメの消費量も減っている中で、返礼品に用意していたおコメが余っても仕方ないので、このような策を打ち出してきたのではないかと見ている。

早稲田大学の「資産運用拡大ニュース」に「大丈夫」?

【1月8日 月曜日】日本経済新聞によると、「早稲田大学は、海外の未公開株などリスク性の高い金融商品での資産運用を拡大」との報道。2018年から4〜5年で計1億ドル(約113億円)を投資するそうだが、正直、私の感覚からすると「えっ! 今からですか? ちょっと遅くないですか?」と思うのですが、皆さんはどう思いますか? バブルの最終局面に近づいてきてからの、「ありがちなニュース」ではないかな。

【1月9日 火曜日】16時、リソー教育(4714)の2018年2月期第3四半期決算が発表になった。ほぼ計画どおりでサプライズはなし。日経平均は、135円高の2万3849円と3日続伸。3日間で1085円高。

【1月10日 水曜日】日経225先物は、40円安の2万3820円。NYダウは、102ドル高の2万5385ドル。

昨日決算発表したリソー教育は、売り気配スタート。9時12分、67円安の860円で寄り付き、9時15分、89円安の838円の安値を付けた。下げ過ぎと判断し、10時27分、845円で5000株買う。終値は、75円安(8.09%安、値下がり率はこの日、東証1部で第4位)の852円。買った理由は、2月の期末配当7円狙いと4月の本決算発表と来期予想配当36円(今期28円)となれば、反発するのではないかと予想。日経平均は、61円安の2万3788円と4日ぶり反落。

【1月11日 木曜日】日経225先物は、230円安の2万3570円、NYダウは16ドル安の2万5369ドル。

日経平均が続落の中、メガバンクなどが堅調な展開。日本郵政(6178)が9円高の1324円と高値引け。2017年9月の公募売り出し価格1322円をようやく上回る。9月末配当25円分、プラス。ヤマトホールディングス(9064)の2017年12月宅配便は6%減だが、値上げで同10〜12月で営業益400億円と報道。ヤマトの6%減った分は、値上げしていない日本郵政100%子会社の日本郵便に流れたと想像できるので、これを好感した買いが入ったのかな。

優待保有銘柄のビックカメラ子会社の日本BS放送(9414)が、75円高の1380円と大幅高、一時101円高の1406円を付け、昨年来高値を更新。日経平均は、77円安の2万3710円と小幅続落。為替が1ドル=111円台半ば、1月11日に1ドル111円とは覚えやすい。

気付くと、ビックカメラの株価は9年で約10倍に

【1月12日 金曜日】日経225先物は、80円高の2万3730円、NYダウは205ドル高の2万5574ドル。

保有銘柄のみずほフィナンシャルグループ(8411)は、9時26分、2.5円高の218.5円の高値を付け、ほぼ1年ぶりに昨年来高値を更新した。前回高値は2017年1月27日の217.3円。出来高は、断トツ1位の1億8918万0400株。昨年は、メガバンクセクターの株価はパッとしなかったが、1年ぶりの高値更新で上がる兆しとなるか。

優待目的保有のビックカメラ(3048)は、93円高の1764円、一時1795円の高値を付ける場面があった。私が初めて買ったのは、約9年前の2009年2月27日に1万7200円で5株(100分割前)買っており、3月18日までに平均買値1万7360円で164株買い、3カ月後の6月24日に4万0150円で164株売っている。その後下がったので、また買って今に至るのだが、ビックカメラの株価がこの9年で約10倍になっている。もうビックリカメラだな。株主優待と長期優待制度がなかったら、そこそこ上がったところで売ってしまい、ここまで長期保有できなかったと思う。日経平均は、56円安の2万3653円と小幅3日続落。

【1月13日 土曜日】日経225先物は、110円高の2万3750円、NYダウは、228ドル高の2万5803ドル。1ドル111.04円、1ユーロ135.38円。

年明け早々、NYダウ(など主要3指数が最高値を更新)、日経平均の上昇ピッチが速いのが気になる。こんなペースで上がり続けたら、早い段階でピークを付けてしまいかねない。

2017年、アメリカで大型減税が決まる前からNYダウは織り込む形で上昇してきたが、決まってからもこれをきっかけに、NYダウは大幅上昇すると思って「バブルへGO!」と書いたのだが、今のところそのとおりの展開だ。アメリカでは、確定申告の税還付が4月頃まで続き、還付金が消費や株購入などに回り、この間株価は上がりやすい傾向にあるが、じりじりとゆっくり上昇していくほうが相場は長続きするので、本当にそうなるかどうか、チェックしていきたい。