笑顔で離婚会見した「松居一代」が抱える2つの難題
船越英一郎との「今世紀最大の夫婦ゲンカ」は、松居一代が「最高裁まで闘う」と言っていたわりに、意外にもあっさりと決着した。
松居の離婚会見は、異例ずくめだった。
まず、12月15日、朝8時30分という時間。この時間に設定した意味は、NHKの連続小説が終わり、ワイドショーが中継しやすい時間であったこと。
次に、松居を呼び込む司会者の、異常なテンション。
「これから松居一代が大変喜ばしいご報告を、させていただきます。それでは、松居さぁ〜ん!お願いしまぁ〜す!」
まるで入場曲でも流れそうな、そんな呼び込みだった。司会者は松居とは7年ほどの付き合いで、前夜「司会をお願い。とにかく明るく明るくやって欲しい」と注文があったという。
松居は黄色の花柄の洋服で現れ、「一昨日、12月13日、第2回調停で、お陰様で大変嬉しく、喜ばしいことなんですけど、離婚が成立しました。やりました!」と言うと、会場から「おめでとう!」の声がかかり、この声に応えるように「ありがとう!」とガッツポーズをとる。
「おめでとう!」の声をかけたのは、動画サイトの音楽を担当した人で、途中からチーム松居に加わった人だという。
松居はさらに続け、こう一気に話す。
「私のなかで何を一番守るべきか、何が一番大事なのかを考えたとき、答は一つでした。それを守るためにはどうすればいいか、(弁護士の)先生方とずっと協議してきました。その願いが、夢が叶いました」
私が「守らなくてはいけないものとは何ですか?」と質問すると、松居は「おわかりになりませんか? 財産分与です」とキッパリと、自分の財産を守ることを明言した。
ちょっと待った!
離婚したがっていたのは船越であり、その船越は「財産分与は求めない」と、公言していたはずではなかったか。
そう言えば、この会見の3週間ほど前、松居と電話で話したとき、不可解な話をしていた。松居は「向こうが、お金のことを言い出した」と言う。
「えっ、お金はいらない、財産分与はいらない、と言ってなかった?」
「それが、急に、お金の話を出してくるのよ」
実のところ、なぜだろうと思った。それ以上のことは話してくれなかったので、真意は図りかねたが、この会見でようやくわかった気がした。
裁判にまで持ち込みたい松居に対して、裁判になるとまたまたいろんなことが公になり、イメージダウンは計り知れない船越。当然、裁判には持ち込みたくない。
そこで、裁判になったら当然の権利として、結婚後夫婦で築いた財産分与を主張するとの作戦に出たと思われる。「大っ嫌い」になった人にはビタ一文やりたくない松居は、(不倫の)謝罪より財産を守ることを選んだのではないか。
もちろん、それが船越のペースに乗せられたことは、松居は理解しているだろう。だからこそ会見で「離婚が成立しました。やりました」と、明るく振る舞ったと思われる。負けたのではない。ビタ一文やりたくない、という気持ちが「夢が叶いました」という言葉につながったのだろう。
弱い松居一代は見せたくないのだろう。弱い松居一代では、戦えないのだろう。もし、弱い松居一代の会見だったら、世間の目は大きく変わっていただろうと思う。
しかし、松居の戦いはまだ終わらない。この後も「名誉毀損」と、大事な大事な息子が松居を理解してくれるかが大きな問題となってくる。松居の連れ子だった息子は、小さなころから、船越を本当の父と思って信頼してきたからだ。
会見の最後に質問した。
「これから、息子さんとの関係はどうなりますか」
松居は「それは改めてお伝え申し上げます」と、顔が曇った。松居の戦いは、まだ終わりそうにない。(芸能レポーター・川内天子)