UAE記者が見た本田圭佑の“価値” 代表メンバー外の現状に疑問符「理解不能だ」

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準々決勝のカサブランカ戦を取材したハリド記者は高評価「タフに戦っていた」

 パチューカ(メキシコ)のFW本田圭佑は、9日のFIFAクラブワールドカップ(W杯)準々決勝・ウィダード・カサブランカ(アフリカ)戦にフル出場。

 延長戦の末に1-0で勝利したなか、惜しいミドルシュートを放つなど存在感を示した。現地UAEでカタール資本の衛星放送局「ビーイン・スポーツ」で記者を務めるハリド記者は、「なぜ本田は日本代表に呼ばれないのか?」と、バヒド・ハリルホジッチ監督の選考に疑問符をつけている。

 ハリド記者は第1試合でパチューカ、第2試合で浦和レッズが準々決勝を行った会場で、第1試合の担当をしていたという。実際にプレーを見た本田について、「タフなゲームだったけれども、本田もまたタフに戦っていたと思う。ACミランでプレーしていたことは知っていたが、良いシュートも打っていたし、とても良い選手だと感じた」と高く評価した。

 今年11月に日本代表が欧州遠征を行った際、ベルギー代表との親善試合も担当したというハリド記者。当時のハリルジャパンに、本田が招集されていなかったことを疑問に思ったようだ。

「ベルギー戦で日本代表のゲームを見ることができたけれども、日本も良いチームだとは思う。ただし、なぜ本田が呼ばれないのか? パチューカの試合を見た後に、正直なところ疑問に思った。怪我でもしていたのか?」

「間違いなく上のレベルの選手だと思う」

 負傷の情報は伝わっていないことを話すと、ハリド記者は「理解不能だ。間違いなく上のレベルの選手だと思う」と本田の価値を訴え、改めてハリルジャパンに招集されないことは不可思議だと繰り返した。

 欧州遠征での日本代表と、このクラブW杯での本田の双方を見た記者にとって、本田がメンバー外である現状は不自然なものと映っている。パチューカは12日に南米王者グレミオ(ブラジル)と対戦し、“下剋上”での決勝進出を狙っているが、本田はハリルホジッチ監督の考えを変えさせるだけのプレーを見せることができるだろうか。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images