「ホテル」でバレる!残念な宿泊者の3大欠点
ホテルで繰り返し使用される備品の持ち帰りは、犯罪行為です(写真:MalkovKosta / PIXTA)
「学歴・頭のIQ」で、「仕事能力」は判断できない。仕事ができるかどうかは、「仕事のIQ」にかかっている。
「グローバルエリート」ことムーギー・キム氏が「仕事のIQの高め方」について書き下ろした『最強の働き方――世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓』は20万部を突破、翔泳社主催の「ビジネス書大賞 2017」の大賞を受賞し、世界6カ国で翻訳も決定するなど、世界中で注目を集めている。
本連載では、ムーギー氏が「世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ教訓」の数々、および「日常生活にあらわれる一流・二流の差」を、「下から目線」で謙虚に紹介していく。
本連載の感想や著者への相談、一流・二流の体験談・目撃談はこちら
チップにもケチをつける「二流のホテル宿泊者」
グローバルエリートファンの読者の皆さま、お待たせしました! 待望の「ムーギー・キムのグローバルメールマガジン」が、ついに創刊しました。サンプルは無料でお読みいただくことができます。詳細はこちら
「うおおーん! なんで5つ星のホテルやのに歯ブラシセットがないねん!! カミソリもないし、何にもあらへん! こんなんやったらタオルを持って帰って復讐したる!!」
世の中には、ホテルに宿泊した途端、「一流の真価」が問われて、恥ずべき欠点が暴露されてしまう残念な人たちが存在する。
ホテルのスタッフに横柄な態度を取るが、5つ星ホテルで油断していたら歯ブラシもひげそりも用意されていなくて困ってしまっている二流の宿泊者たち。
「荷物を運ぶ」と言われても、チップを払うのが悔しいから「いいえ、自分で持ちます!!」と焦って自分の荷物を奪い返す「残念なチェックインタイム」に嘆息するのは、私だけではあるまい。
これに対し、一流の人物は「ホテルの泊まり方」も一流である。入室するときは、チップがベルボーイさんの収入源であることに思いを馳せつつ、多少荷物が軽くても部屋まで持ってきてもらう、一流の宿泊客っぷり。
ベルボーイさんが、友人のカバンの名札を見て「ミスタージョーンズ!」などと間違った名前を呼んできても、ピクリとも怒ったりはしない。「誰に対しても丁寧に接しているいい人である自分」に酔いしれることなく、巡航速度の自然体で、サービスを提供してくださる皆さんに十分な敬意をもって宿泊するのだ。
「学歴の高さやIQの高さ」と「立派にホテルに宿泊できるかどうか」は関係がない。世の中では、ホテルに泊まっただけで、その「人間性の神髄」や「仕事ができるかどうか」が一発でバレてしまう。
それでは、ホテルに1泊しただけでバレてしまう、その人の「人格的欠陥」「人間的故障」とはどのようなものなのだろうか? 早速、紹介していこう。
まずホテルに宿泊した途端バレるのが、「なにかと時間にルーズ」なことである。
時間のルールはきちんと守るのがマナー
【1】「時間にルーズすぎる」ことがバレる
ものすごく早く到着したのに「勝手にアーリーチェックイン」をしようとするだけでなく、12時には退出しないと次のお客さんのための掃除に支障が生じるのに、「勝手にレイトチェックアウト制度」を創設してなかなか出ていってくれないという、身勝手な宿泊者たち。
このような人たちは、チェックアウト時間を30分も過ぎた12時半に電話がかかってきても「動かざること山の如し」なのである。
また、いくらフライトの関係とはいえ、15時からがチェックインの時間にもかかわらず、「すいません、まだ前の人が部屋で寝ていますよ」と突っ込みたくなる早朝5時にチェックインしようとするのだから、厚顔無恥にもほどがあるのだ。
さらに、渋るフロントデスクを相手に「こっちは客やぞ!! 疲れとるんや!! もっと融通利かせたらどないや!!」などとすごんでいるようでは、1人の人間として、「すでに人格が崩壊しているよね」と、クスクス後ろ指をさされても致し方ないのである。
【2】「室内設備の使い方を知らない」ことでバレる
次に残念な宿泊者の特徴が、「せっかくのホテルの部屋の設備をまったく使いこなせない」ことである。
海外の5つ星ホテルでは、入室するとテレビ画面に「ウエルカムメッセージ」が出ていることが多いが、その画面を消そうと思ってもリモコンの電源ボタンがどこにあるかわからない、残念な宿泊者たち。
そして、いろいろボタンを押しているうちに、DVDのふたがパカッと開いたり、間違ってすべての電源を消してしまったりと、なにかと大騒ぎが絶えないのだ。
おまけに、就寝時にはベッドサイドのライトの消し方がわからず、最悪のケースではバスルームと部屋を隔てる大きなガラス壁のブラインドの閉め方すらもわからないという、羞恥プレーの数々。
このような人たちは何かと段取りが悪いので、パソコンや携帯電話を充電しようにも、海外用アダプターを忘れているのは、ほぼ間違いない。さらに、ホテルのフロントに電話して持ってきてもらったアダプターを返さず、そのまま末永く愛用してしまうのだから「迷惑千万」にもほどがあるのだ。
最後に、ホテルに泊まった途端バレてしまうのが、なんといっても「なんでも持って帰る」貧乏根性であろう。
「ホテルのモノ=俺のモノ」という考えは”窃盗”
【3】部屋の物を「なんでも持ち帰る」ことでバレる
洗面台に置いてある、歯ブラシやひげそり、シャンプーにせっけんといったアメニティグッズを根こそぎ持って帰るのは、「残念な二流の宿泊者たち」の基本形である。
なかにはタオル類を持ち帰ったり、悪質な場合は室内のガウンまで持ち帰ったりする人がいるが、これは立派に”窃盗”である。哀れにも「三流に転落している宿泊客」の場合は、室内のスリッパやハンガーまでも、とにかく何でもかんでも持って帰るという「もはや立派な泥棒」に転落してしまっているのだ。
そして、このような「なんでも持って帰る根性」は、その人の家に招かれたときに見事にバレてしまう。
自宅の洗面台には、ホテルのロゴが入ったアメニティグッズが置いてあったり、タオルかけには、あらゆるホテルのロゴマークが入っているタオルが堂々とかかっていたりと、その人の「ホテルの盗掘者たる本性」がバレてしまうものなのだ。
ホテルを利用するのはいいが、「なんでもかんでも持って帰るのは二流の宿泊者、下手したら泥棒」であることを、つとに自覚しなければならない。
ここまで、ホテルに泊まった途端バレてしまう「『二流の宿泊者』のレッテルを貼られても、仕方のない人物」の残念な特徴を、下から目線で謙虚に書きつづってきた「グローバルエリート」であるこの私。それでは、「一流のホテル宿泊者」とは、どのような特徴を兼ね備えているのだろうか?
タオルなどの備品を持ち帰らず、時間どおりにチェックアウトし、ホテルの機器の使い方をマスターしているのは当然のことながら、「一流のホテル宿泊者」とは、以下のような特徴を兼ね備えている。
「一流の人」は朝食を品よく食べ、サービスに敬意を払う
【1】朝食のビュッフェでがっつかない
「一流のホテル宿泊者」は、5つ星ホテルの朝のビュッフェがいかにおいしかったとはいえ、決してがっつかずに優雅にヨーグルトとフルーツを食べるものである。
ディムサム(飲茶)から、そばや温泉卵にチーズ、チキンマサラと、さまざまな宗教の人のために用意してある多様なメニューを全部食べつくして、「無宗教な朝食祭り」を開催したりはしない。
もちろん、オムレツを焼いてもらうときも強欲な行動はとらない。「血液をサラサラにする玉ねぎ」を多めに入れ、ケチャップや塩分を控えめに、という健康を意識した「一流のオムレツ」を優雅に食するものなのだ。
【2】ホテルのスタッフを褒めて元気づける
もう1つの「一流のホテル宿泊客」の特徴は、ホテルでサービスをしてくれるベルボーイさんからドアマン、受付の方や清掃の方にまで、それはそれは「温かな笑顔であいさつ」をすることである。
決してバーカウンターにいる美人のお姉さんにだけベタベタ話しかけるのではなく、「ホテルで働いている人は、人を喜ばせるのが好きな人なんだ」という相手側のモチベーションに配慮し、「いいサービスだったよ!」と小さな褒め言葉と感謝の気持ちを伝えるのだ。
さらにチェックインのときも、ホテル側のサービスである「手書きのメッセージ」が置いてあってもむやみに捨てたりはしない。それどころか、額縁に入れて実家のリビングに飾り、ホテル側の心遣いに「感謝の気持ち」を表明するものなのである。
ここまで、ホテルでバレてしまう「残念な二流のホテル宿泊者」の欠陥商品ぶりと、それらの人々とは格が違う「一流のホテル宿泊者」との間にある深遠な闇について、そのグローバルな見識を披露してきた、「グローバルエリート」の称号をほしいままにするこの私。
しかし、まさかのまさか、この最後の最後で「真の二流のホテル宿泊者」が、このグローバルエリート自身であったなどという信じられない展開をピクリとでも予想できた人が、一体全体この地球上に1人たりとも存在しえただろうか?
「真の二流の宿泊者」は、この私
宿泊中に「DON’T DISTURB(静かに放っておいて)」のボタンと「MAKE UP ROOM(掃除してください)」のボタンを押し違えてしまい、仕事から帰ってきて部屋が片づいていないことに1人激怒している私。
家に帰れば、ほぼ世界中のホテルのロゴ入りの歯ブラシをはじめとする持ち帰りOKのアメニティグッズが洗面台にあふれていて、下手したらホテルを開業できそうなくらいの勢いである残念すぎる私。
そして、休んでいるときにスタッフの方が氷を持ってきたら「睡眠を邪魔した!」などと大騒ぎをして、お腹のサイズとは裏腹に「器の小ささ」を大暴露されてしまっているのが、恥ずべき「自称グローバルエリート」であるこの私なのだ。
しかし、私のような二流の宿泊者がこの世から消えうせないかぎり、この世界に真の平和や太平天国は望めない。私のようにホテルの値段をフロントで値切ろうとしたり、昔いた会社のコーポレートレートを使おうとしてひと悶着起こしたりする馬鹿者がこの地球上から消滅しないかぎり、ホテルで真に安心して宿泊できる日が、訪れるわけがないのだ。
最後に、私のFacebookには、香港のマンダリン オリエンタルやシンガポールのザ・リッツ・カールトンなど、いいホテルの部屋に泊まったらリア充アピールのために部屋の写真がいっぱいアップロードされているという、その「恥ずかしすぎる器の小ささ」が大暴露されたところで、グローバル・メールマガジンの執筆という新たな偉業に向けて、旅立ちたいと思う。