JR東海は10月14日・15日の2日間、東京・品川の大井車両基地においてファミリー向けの見学会を開催した。イベントでは923形「ドクターイエロー」T4編成などが公開され、注目を集めた。当記事では、その「ドクターイエロー」車内公開の様子をフォトレポートとしてお届けする。

それでは早速、1号車から順に車内を見ていきたい。

普通の新幹線とは全く異なる雰囲気の車内でまず目に入ってきたのは、架線などの電力関係や信号通信関係を測定する機器類。

測定台が車両中央に設置されているため、通路は壁に沿うように設けられている。また、天井裏にはデータ送受信用のケーブルが張り巡らされており、窓や空調吹き出し口は通常よりも低い位置に設置されている。

ケーブルが伝う連結部分を通って2号車へ。

2号車も中央に大きな機器が設置された部屋があり、通路は壁側に設けられている。

この部屋は高圧室といい、パンタグラフなどから電気設備のデータを収集しているそうだ。

3号車の中央に設けられていたのは階段。その上には椅子とカメラが設置されている。

階段上の椅子に座ると、目の前には窓。観測ドームと呼ばれ、走行中にパンタグラフや電気設備の監視・点検ができるようになっている。

5号車にも同じ観測ドームが設置されており、3号車からは2号車のパンタグラフを、5号車からは4号車のパンタグラフを監視・点検する。2か所に観測ドームがあることで、上り運転時、下り運転時それぞれに対応できる。

7両編成のちょうど真ん中、4号車に並ぶモニターは前方監視装置と軌道検測台。

1号車・7号車の前頭部に設置されたカメラで撮影された映像や、床下装置から集められた線路の状態のデータなどが集められ、検測員がモニターに映し出された映像を見ながら点検を行う。

床下には線路の歪みを測定する機器が設置されているため、他の車両と比べて床が高くなっており、乗降口にステップが設けられている。

6号車はこれまでとは打って変わって広々とした車内。パンタグラフなど交換用の部品や、検査作業に必要な道具を置いておくための資材搭載スペースだ。

資材の積み下ろしがしやすいようにドア幅も広くなっている。

7号車は意外にも、通常の700系普通車と同じように「3-2」配列の座席が10列並んでいた。添乗者の休憩用などに使われているそうだ。

923形「ドクターイエロー」は現在のところ、0番台T4編成と3000番台T5編成の2編成が存在しており、T4編成はJR東海、もう一方のT5編成はJR西日本が保有している。その運行ダイヤは非公開とされ、見ることができれば幸せになれるとまで言われているが、もし幸運にも駅や沿線で「ドクターイエロー」の姿を見かけることがあれば、新幹線の安全運行を黙々と支えるその働きにも注目してみていただきたい。