「ダンケルク」でも使われるIMAX 70mmフィルムはどのようにして上映するのか?
クリストファー・ノーラン監督は映像の見せ方に大きなこだわりがあり、2014年公開の「インターステラー」ではIMAX 70mmフィルムでの上映を行いました。もちろん、最新作で2017年9月9日(土)公開の「ダンケルク」でもIMAX 70mmフィルム上映が行われることになっています。残念ながら日本国内ではこのIMAX 70mmフィルムの映画を上映できる映画館がなくIMAXデジタル上映となりますが、海外では対応館があります。その上映がどのように行われるのかという様子が「How To Play A Giant 70mm IMAX Film」という映像でわかります。
IMAX 70mmシアターの1つがあるカリフォルニア州サンノゼ。
案内してくれるのはIMAX映写技師のジョン・ラドック氏。
映写技師の朝は、まず映写機のローラー磨きから始まります。その日、フィルムが何度もローラーを通過することになるので、汚れは禁物。
続いてはレンズ磨き。レンズといっても、スクリーン側ではなく、フィルム側です。
汚れがないかどうかを光にすかしてチェックし……
しっかりと磨き上げます。
続いてはフィルムのセット。ここでは、フィルムの取り外しから行っています。
フィルムは1ロールで400ポンド(約181kg)もあるので、キャリアーで運びます。
フィルムを収納し……
次に上映するフィルムを取り出します。
目標めがけてセット。
続いて、外側のロックを固定。
フィルムの内側の枠を抜いて……
冒頭部分を巻き取っていきます。
映写機を始動。
あかりが灯りました
続いて、映写機内側のレール磨き。
ブロワーでホコリを飛ばします。
こちらはサウンドシステム。
音の長さと……
フィルムの長さを一致させます。
再び映写機に戻ります。持ち上げているのは……
フィルムを巻き取るためのパーツで、先ほど設置したフィルムの中央にセット。
そして、リールから送り出したフィルムを引き出して、映写機にセットします。
この白い印と、フレームの区切りを一致させます。
これでバッチリ。
映写機を抜けたフィルムはさらにローラーを通って……
巻き取り用のリールにセット。
これで上映準備はほぼ終わり。
IMAX上映でおなじみ、開始前のカウントダウンの「8」が進んでいきます。
フィルムのスタート印が読み取られたら、フィルム送りがいったんストップ。
ここからは映写機そのものの移動。
セッティング時は下げられていて、映写時には所定の位置まで上がっていきます。
お客さんの入場が開始。
映写室からは準備完了の合図が。
そして、映写がスタート。
フィルムが送られていきます。
上映中……。
ぐんぐんフィルムの残りが減っていき……
上映の終わったフィルムが巻き取られていきます。
そして、上映が終了すると……
お客さんが退場。
映写機もセッティング位置へ下ろされます。
そしてフィルムを外して、また次へ……ということが、1日に7回前後行われているわけです。