NPBホールド数歴代5傑は…通算250ホールドのハム宮西が誇るNO1記録とは
8月3日ロッテ戦で史上2人目の快挙達成
日本ハムの宮西尚生投手は、8月3日のロッテ戦で6回に登板し、1イニングを3者凡退に斬って取り、今季18ホールド目を記録。その結果、プロ通算250ホールドに達した。
これはNPB史上2人目の快挙となる。
○ホールド5傑
1.山口鉄也(巨)273
2.宮西尚生(日)250
3.浅尾拓也(中)199
4.五十嵐亮太(ソ)156
5.マシソン(巨)146
全員が現役選手。それというのも、セパ両リーグが「ホールド」に関する新規定を定め、正式記録として採用したのは2005年で、わずか12年の歴史しかないからだ。引退した選手の最多は、阪神で投げたジェフ・ウィリアムスの141ホールドだ。
ホールドを記録する投手は、いわゆるセットアッパーだ。先発とクローザーの間を任され、勝っている状況で投げる。現代の野球では、セットアッパーはクローザーに勝るとも劣らない重要なポジションになっている。
一般的にセットアッパーはクローザーよりも登板回数が多く、過酷な役どころになっている。宮西は新人の2008年から昨年まで、9年連続で50試合以上登板、今季も34試合に投げている。そしてハイペースでホールドを積み重ねてきた。
1シーズンあたりのホールド数を見ると…
100ホールド以上の投手の実働年数と1シーズンあたりのホールド数を見ると、宮西の凄さが分かる。
1.宮西尚生(日)25.0 250H 10年
2.山口鉄也(巨)24.8 273H 11年
3.マシソン(巨)24.3 146H 6年
4.ウィリアムス(神)20.1 141H 7年 ※引退
5.浅尾拓也(中)19.9 199H 10年
宮西はホールドを記録するペースでは、山口を抜いて1位だ。
ホールド数歴代5傑の今季のホールド数は、山口(巨)3、宮西(日)18、浅尾(中)0、五十嵐(ソ)10、マシソン(巨)21となっている(4日現在)。現時点でセットアッパーとしてフル稼働しているのは、宮西とマシソンだけ。昨年まで、宮西を上回る9年連続60試合以上登板していた山口は、今季は13試合に登板するにとどまり、5月19日を最後にマウンドに上がっていない。
2011年にセットアッパーとして初めてMVPに輝いた中日の浅尾は、それ以後故障がちとなり、2016年は登板なし。今季も4月に2試合投げただけだ。38歳の五十嵐は、2013年にMLBからNPBに復帰し、頼りになるセットアッパーとして活躍したが、7月11日に左太もも裏を負傷し、登録抹消された。
セットアッパーは相手チームだけでなく、「登板過多」による故障との闘いをしなければならない。潰れることなく投げ続けること自体が、至難の業なのだ。
日本ハムは、今季途中までセットアッパーとして救援陣を支えてきた谷元圭介(通算101ホールド)を、中日にトレードした。立て直しを目指すチーム内で、宮西の役割はますます大きくなってくる。
ホールド数そのものも重要だが、それ以上に無事にシーズンを全うすることが重要だ。今後も宮西のマウンドに注目したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)