デーモン閣下「蝶のように舞い、蜂のように刺すってあまりにもぴったりだった」ブルボン、納得の嵐
デーモン閣下、五年ぶりのソロアルバム「EXISTENCE』発売記念のインタビュー、悪魔の作詞の面白さを探りつつも今回が最終回。次なる作品を期待して、最後はまたもや「陳情」に!? トークイベント情報も見逃すな!
その1 その2
───最新作もですが、そもそも閣下のソロアルバムは一枚目から、楽器との関わり方も含め「普通そうしないだろ」みたいな感じがしました。
閣下 「好色萬声男」から?
(注・「好色萬声男」は魔暦前9年つまり西暦1990年リリース。昨年リマスター版が再発売)
───そうです。和楽器の人が勢ぞろいしていても、純和風の曲かっていうとそうでもない。ただ「和の世界」に染まるんじゃなく、別のものを作ろうとしてるのは高校生でも分かって。その「別のものを作ろう」の精神が最新作(「深山幻想記」)では凄く高次元なところで達成された感じが…
閣下 さすがに和楽器との付き合いも長くなってきたし、和楽器を取り込んで作品を作るにしても、ただ単に楽器が和楽器になってりゃいいってことではなくて。もうそんな(次元の)時代は過ぎたので、我輩にとってはね? 和楽器の特性だったりそれらが持っている、世界観だったりをどのように西洋の楽器といかに交わらせて、ただ「合わせました」じゃないものが作れるかっていうね。
───だから、最初ケルトで始まるのも、この世界観のための必然なわけですね。
閣下 だけどそこは、作曲者の一噌氏が、そもそも自分のライブでも、能管のプロフェッショナルであるにもかかわらず自分のライブではケルトの笛を吹く。だからあの人が考えた世界だよね。
───つまり閣下が声をかけて一緒に仕事しようとする人にも、そういう柔軟さだったり、自由にやってやれっていう気持ちがあるんでしょうね。
閣下 そういうことね。
───「てふのやうにまひ」は、閣下ファンである、ボクシングの元チャンピオン(五十嵐俊幸氏)への応援みたいな気持ちもあったんですか?
閣下 (首を横に振って)モチーフがそうなってるというだけで。
───モハメッド・アリを称した有名なフレーズですよね。
閣下 はい。
───「闘え」と鼓舞する曲はこれまでもあったけれども、これまでは少しひねった感じで闘いを描いてたと思うんですよ。でもこの新曲は、すごくストレートにボクシングのことだなって分かるし、いわば「深読みをしなくてもいい」感じがありますよね。「蝶のように舞い」という言葉選びもまた、ここは素直に行こうみたいな感じだったんですか?
閣下 もともと仮歌もボクシングの歌だったのね。でも、内容はかなり違ってたの。それで--これは他の曲もなんだけど--今回、自分が作詞する曲は、一曲一曲にテーマというか、ストーリー性とかドラマ性を作って、その主題歌を作るかのような形で作ろうという話をプロデューサーとね、事前にしてたの。で、この曲は仮歌がボクシングの歌だったところ、プロデューサーが「モハメド・アリの歌にしちゃったら?」と、アリの名言だったり、今までの伝記みたいな資料をくれて。それで歌ってみたら「蝶のように舞い、蜂のように刺す」って、これサビのメロディぴったりじゃん! って、偶然(メロディに)ぴったりだったんだ。あまりにぴったりだし、誰もが知ってるフレーズだし──まあ誰でもっていうか、ある世代から上の人たちには。なんで、そんならそれでいいかと、どうせもともとボクシングの歌だったし。
───なるほど。
閣下 だから(作中の)「impossible is nothing」っていうフレーズも実はアリの言葉なの。
───そうなんですね。閣下は本来、引用の引き出しがたくさんありますよね。文学でも「サロメ」を曲にしたり。
閣下 「サロメ」の曲。(笑) マニアックだね。
───「サロメ」なんて僕読んだことないですよ。
閣下 吾輩だってちゃんと読んだことなんてないよ。
───えっ! だって「サロメは還って殺意をしるし」って、それらしく歌ってるじゃないですか?
(注・「サロメは還って殺意をしるし」は聖飢魔IIの大教典『メフィストフェレスの肖像』に収録。魔暦前3年に発布)
閣下 それらしく歌ってるね(笑)、あらすじくらいしか知らないよ。騙されてる。
───あるいは坪内逍遥の長唄を洋楽のスタンダードナンバーに乗せて歌った曲とか、なんで戯曲が出てくんのかなっていう。でもその教養も、単に得意なジャンルを引いてくるばかりじゃなくて、自由ですよ。直前に誰かから教わったアリの事でもいいし、(ちゃんとは読んでいない)サロメでもいい…
閣下 サロメでもいい。(笑)
(注・坪内逍遥の明治時代の戯曲「新曲浦島」の詞を5th DIMENSIONの1968年のヒット曲にあてはめた不思議な曲「AQUARIUS〜帰虚〜」は前述のアルバム「好色萬声男」収録)
───「Post-Truth」も好きな曲です。これは素直に作ったのとは別の、従来の閣下の複雑な面白さが出てますね。曲調はいかにも青空的なさわやかさで、歌詞も青空を取り上げているのに、青空を否定するような不思議な曲です。
閣下 結果的にね。これは歌詞に時間がかかった曲で。書いていざ歌ってみるとね、イメージが「あ、違うなー」ってことが何回かあったのね。あまりにさわやかなメロディなんで--真ん中の部分以外はね。
───この曲調は青空感が強いですね。そこにこの歌詞か! と。
閣下 最初の仮歌では「青空に飛び立て」かなんか歌ってたのかな?(笑) もうね、航空会社のコマーシャルになりそうなね、どうせだったら航空会社のコマーシャルになるような曲書いちゃえみたいなぐらいで書いて歌ったんだけど。「いやー違うなーこれ」(笑)
───これで「夏のANAキャンペーン」ソング…だったら (笑)
閣下 ハッハッハッハ。絶対使ってくれないよね。青空が「殺気立っ」ちゃってるから(笑)
───本当ですね。でも、いいな。
閣下 ブルボンさんは好きでしょうね。
───うん、とにかく、ニューアルバムは得意技も、それだけでないチャレンジも両方しているということですね。次は「またちょっと違うふうにしよう」となっていきますか?
閣下 なるでしょうね。同じものを当たり前のように作るっていうのがそもそも好きじゃないのでね。それはやれば楽なんでしょうけども、新しいアルバム作るんだったら、何か今までと違うことをやりたいというのは、基本的な精神としてある。
───10万年生きてても、もうあと10万年生きられるとは思ってないって感じているように見えると、さっき言ったんですけども。それこそアルバムみたいなパッケージをいつまで出せるかという…
閣下 ほうほう。
───2000年代に人気あったのに、もうCDだせないミュージシャンもいっぱいいると聞いたことがあって。紙の出版の世界もそうで、本にするしないというジャッジが全般に厳しくなってる。CDも、ニューアルバムが出るってだけで勢いがあるんだなって思うし、そうでなくても「これから先もう100枚は出せないだろ」と。投げられる球に限りがある、そういう意識はないですか。
閣下 まあ、多少は。そんなに切実には思ってないけど、まあ今回5年ぶり(のリリース)だって聞いた時にね、まあ、間に聖飢魔II(の活動)があるけれども、じゃあ5年に一回のペースでいくと後何回ソロアルバム作るかな…って、ちょろっと思ったけどね。
───なにが言いたいかというと、ファンとしてはもうちょっと(頻繁に)出して欲しいなと。5年ぶりの、その前もかかりましたよね。
閣下 はいはいはい、あれ8年ぶりかなんかだったんだよね。
───前々作から前作まで8年ぶりくらい…だから、もうちょっと出しましょうよ。
閣下 売れれば出せるんだよ(笑)。そこはね、現実はやっぱり厳しくて。今回だってソロアルバム出せるって話--たしかになかなか皆が出せるわけじゃないから、そういう点ではありがたいと思わなきゃいけないんだけど--これ、(昨年の)聖飢魔IIの活動がやっぱりあったから「じゃあ、ソロも」という話になってるわけであって、やっぱり聖飢魔IIがなければなかなか、予算的にもとか、色々ある話でね。
───既に聖飢魔IIというものの面白さを知っている「信者」ではなくて、デーモン閣下のソロから入ってくる人が、もっといてもいいですよね。「10万歳なわけないでしょ?人間なんでしょ?」みたいに思ったままの人でも、そう思ったままで面白い音楽と受け止めてくれると思うんですよ。
閣下 それはだから、長年のテーマだよね。ソロもそうだけど、聖飢魔IIもだったからね。外見がこうだから、もちろんそれで得してるところもたくさんあるけれども、損してるところがあるとすれば「作ったものの内容から見てくれない」。どうしても外面から見ちゃうから、人は。中身が引っ張ってって「誰が歌ってんの?」ってなって。「あーー!」ってなるのが一番理想的なんだけど、なかなかそうはならないんだね。
───うーん、そうか…。今回、たまたま自分が関わったことからも閣下を知って欲しいとも思います。このね、エキレビに載ったくらいで目覚ましいことになるかはわかんないですけど、ちょっとでも興味を持った人は、音源に手を伸ばして欲しいですね。
閣下 ええ。やっぱり「あんな格好であんな顔してるから中身は大したことないんでしょ?」というフィルターがかかってる人も結構世の中にいるからね。
───歌がうまいだけでなく、詩と曲が面白いんだよっていうのをね。曲については僕は素人だから、編曲の妙とか言えないんだけど、詩の面白さみたいなことは、四月に開催するトークイベントで掘り下げたいなと。
閣下 ハッハッハッハ! 急に予告なんだ?
───今回「EXISTENCE」を買うと応募券が入っているので…応募券が入ってるんですよね?
閣下 そうなんだ?(と侍従の方を向いて)
───熱心な「信者」の人にももちろん喜んでもらいたいし、なんとなくエキレビで興味を持った人に買って応募してもらって、いきなり来てもらいたいという気持ちもある。ぜひ今、エキレビを読んでる人はですね(と、ICレコーダーの方を指差して)!
閣下 指差して言わなくても。
───そうか 。
閣下 ハッハッハッハッ!
(注・アルバム「EXISTENCE」は3月15日リリース! 封入の応募券で応募することで、抽選で参加できるスペシャルトークイヴェントにはデーモン閣下と羽田圭介さんが登場。司会はブルボン小林です。さらに特別に、このエキレビインタビューに載せきれなかった未発表テキストを来場者にプレゼントする予定。「信者」ではない、初めてアルバム買うという方もお気軽に!)
(ブルボン小林)
その1 その2
ただ「合わせました」じゃないもの
───最新作もですが、そもそも閣下のソロアルバムは一枚目から、楽器との関わり方も含め「普通そうしないだろ」みたいな感じがしました。
(注・「好色萬声男」は魔暦前9年つまり西暦1990年リリース。昨年リマスター版が再発売)
───そうです。和楽器の人が勢ぞろいしていても、純和風の曲かっていうとそうでもない。ただ「和の世界」に染まるんじゃなく、別のものを作ろうとしてるのは高校生でも分かって。その「別のものを作ろう」の精神が最新作(「深山幻想記」)では凄く高次元なところで達成された感じが…
閣下 さすがに和楽器との付き合いも長くなってきたし、和楽器を取り込んで作品を作るにしても、ただ単に楽器が和楽器になってりゃいいってことではなくて。もうそんな(次元の)時代は過ぎたので、我輩にとってはね? 和楽器の特性だったりそれらが持っている、世界観だったりをどのように西洋の楽器といかに交わらせて、ただ「合わせました」じゃないものが作れるかっていうね。
───だから、最初ケルトで始まるのも、この世界観のための必然なわけですね。
閣下 だけどそこは、作曲者の一噌氏が、そもそも自分のライブでも、能管のプロフェッショナルであるにもかかわらず自分のライブではケルトの笛を吹く。だからあの人が考えた世界だよね。
───つまり閣下が声をかけて一緒に仕事しようとする人にも、そういう柔軟さだったり、自由にやってやれっていう気持ちがあるんでしょうね。
閣下 そういうことね。
───「てふのやうにまひ」は、閣下ファンである、ボクシングの元チャンピオン(五十嵐俊幸氏)への応援みたいな気持ちもあったんですか?
閣下 (首を横に振って)モチーフがそうなってるというだけで。
───モハメッド・アリを称した有名なフレーズですよね。
閣下 はい。
───「闘え」と鼓舞する曲はこれまでもあったけれども、これまでは少しひねった感じで闘いを描いてたと思うんですよ。でもこの新曲は、すごくストレートにボクシングのことだなって分かるし、いわば「深読みをしなくてもいい」感じがありますよね。「蝶のように舞い」という言葉選びもまた、ここは素直に行こうみたいな感じだったんですか?
閣下 もともと仮歌もボクシングの歌だったのね。でも、内容はかなり違ってたの。それで--これは他の曲もなんだけど--今回、自分が作詞する曲は、一曲一曲にテーマというか、ストーリー性とかドラマ性を作って、その主題歌を作るかのような形で作ろうという話をプロデューサーとね、事前にしてたの。で、この曲は仮歌がボクシングの歌だったところ、プロデューサーが「モハメド・アリの歌にしちゃったら?」と、アリの名言だったり、今までの伝記みたいな資料をくれて。それで歌ってみたら「蝶のように舞い、蜂のように刺す」って、これサビのメロディぴったりじゃん! って、偶然(メロディに)ぴったりだったんだ。あまりにぴったりだし、誰もが知ってるフレーズだし──まあ誰でもっていうか、ある世代から上の人たちには。なんで、そんならそれでいいかと、どうせもともとボクシングの歌だったし。
───なるほど。
閣下 だから(作中の)「impossible is nothing」っていうフレーズも実はアリの言葉なの。
ちゃんと読んだことなんてないよ
───そうなんですね。閣下は本来、引用の引き出しがたくさんありますよね。文学でも「サロメ」を曲にしたり。
閣下 「サロメ」の曲。(笑) マニアックだね。
───「サロメ」なんて僕読んだことないですよ。
閣下 吾輩だってちゃんと読んだことなんてないよ。
───えっ! だって「サロメは還って殺意をしるし」って、それらしく歌ってるじゃないですか?
(注・「サロメは還って殺意をしるし」は聖飢魔IIの大教典『メフィストフェレスの肖像』に収録。魔暦前3年に発布)
閣下 それらしく歌ってるね(笑)、あらすじくらいしか知らないよ。騙されてる。
───あるいは坪内逍遥の長唄を洋楽のスタンダードナンバーに乗せて歌った曲とか、なんで戯曲が出てくんのかなっていう。でもその教養も、単に得意なジャンルを引いてくるばかりじゃなくて、自由ですよ。直前に誰かから教わったアリの事でもいいし、(ちゃんとは読んでいない)サロメでもいい…
閣下 サロメでもいい。(笑)
(注・坪内逍遥の明治時代の戯曲「新曲浦島」の詞を5th DIMENSIONの1968年のヒット曲にあてはめた不思議な曲「AQUARIUS〜帰虚〜」は前述のアルバム「好色萬声男」収録)
───「Post-Truth」も好きな曲です。これは素直に作ったのとは別の、従来の閣下の複雑な面白さが出てますね。曲調はいかにも青空的なさわやかさで、歌詞も青空を取り上げているのに、青空を否定するような不思議な曲です。
閣下 結果的にね。これは歌詞に時間がかかった曲で。書いていざ歌ってみるとね、イメージが「あ、違うなー」ってことが何回かあったのね。あまりにさわやかなメロディなんで--真ん中の部分以外はね。
───この曲調は青空感が強いですね。そこにこの歌詞か! と。
閣下 最初の仮歌では「青空に飛び立て」かなんか歌ってたのかな?(笑) もうね、航空会社のコマーシャルになりそうなね、どうせだったら航空会社のコマーシャルになるような曲書いちゃえみたいなぐらいで書いて歌ったんだけど。「いやー違うなーこれ」(笑)
───これで「夏のANAキャンペーン」ソング…だったら (笑)
閣下 ハッハッハッハ。絶対使ってくれないよね。青空が「殺気立っ」ちゃってるから(笑)
───本当ですね。でも、いいな。
閣下 ブルボンさんは好きでしょうね。
───うん、とにかく、ニューアルバムは得意技も、それだけでないチャレンジも両方しているということですね。次は「またちょっと違うふうにしよう」となっていきますか?
閣下 なるでしょうね。同じものを当たり前のように作るっていうのがそもそも好きじゃないのでね。それはやれば楽なんでしょうけども、新しいアルバム作るんだったら、何か今までと違うことをやりたいというのは、基本的な精神としてある。
───10万年生きてても、もうあと10万年生きられるとは思ってないって感じているように見えると、さっき言ったんですけども。それこそアルバムみたいなパッケージをいつまで出せるかという…
閣下 ほうほう。
───2000年代に人気あったのに、もうCDだせないミュージシャンもいっぱいいると聞いたことがあって。紙の出版の世界もそうで、本にするしないというジャッジが全般に厳しくなってる。CDも、ニューアルバムが出るってだけで勢いがあるんだなって思うし、そうでなくても「これから先もう100枚は出せないだろ」と。投げられる球に限りがある、そういう意識はないですか。
閣下 まあ、多少は。そんなに切実には思ってないけど、まあ今回5年ぶり(のリリース)だって聞いた時にね、まあ、間に聖飢魔II(の活動)があるけれども、じゃあ5年に一回のペースでいくと後何回ソロアルバム作るかな…って、ちょろっと思ったけどね。
───なにが言いたいかというと、ファンとしてはもうちょっと(頻繁に)出して欲しいなと。5年ぶりの、その前もかかりましたよね。
閣下 はいはいはい、あれ8年ぶりかなんかだったんだよね。
───前々作から前作まで8年ぶりくらい…だから、もうちょっと出しましょうよ。
閣下 売れれば出せるんだよ(笑)。そこはね、現実はやっぱり厳しくて。今回だってソロアルバム出せるって話--たしかになかなか皆が出せるわけじゃないから、そういう点ではありがたいと思わなきゃいけないんだけど--これ、(昨年の)聖飢魔IIの活動がやっぱりあったから「じゃあ、ソロも」という話になってるわけであって、やっぱり聖飢魔IIがなければなかなか、予算的にもとか、色々ある話でね。
「あーー!」ってなるのが一番理想的
───既に聖飢魔IIというものの面白さを知っている「信者」ではなくて、デーモン閣下のソロから入ってくる人が、もっといてもいいですよね。「10万歳なわけないでしょ?人間なんでしょ?」みたいに思ったままの人でも、そう思ったままで面白い音楽と受け止めてくれると思うんですよ。
閣下 それはだから、長年のテーマだよね。ソロもそうだけど、聖飢魔IIもだったからね。外見がこうだから、もちろんそれで得してるところもたくさんあるけれども、損してるところがあるとすれば「作ったものの内容から見てくれない」。どうしても外面から見ちゃうから、人は。中身が引っ張ってって「誰が歌ってんの?」ってなって。「あーー!」ってなるのが一番理想的なんだけど、なかなかそうはならないんだね。
───うーん、そうか…。今回、たまたま自分が関わったことからも閣下を知って欲しいとも思います。このね、エキレビに載ったくらいで目覚ましいことになるかはわかんないですけど、ちょっとでも興味を持った人は、音源に手を伸ばして欲しいですね。
閣下 ええ。やっぱり「あんな格好であんな顔してるから中身は大したことないんでしょ?」というフィルターがかかってる人も結構世の中にいるからね。
───歌がうまいだけでなく、詩と曲が面白いんだよっていうのをね。曲については僕は素人だから、編曲の妙とか言えないんだけど、詩の面白さみたいなことは、四月に開催するトークイベントで掘り下げたいなと。
閣下 ハッハッハッハ! 急に予告なんだ?
───今回「EXISTENCE」を買うと応募券が入っているので…応募券が入ってるんですよね?
閣下 そうなんだ?(と侍従の方を向いて)
───熱心な「信者」の人にももちろん喜んでもらいたいし、なんとなくエキレビで興味を持った人に買って応募してもらって、いきなり来てもらいたいという気持ちもある。ぜひ今、エキレビを読んでる人はですね(と、ICレコーダーの方を指差して)!
閣下 指差して言わなくても。
───そうか 。
閣下 ハッハッハッハッ!
(注・アルバム「EXISTENCE」は3月15日リリース! 封入の応募券で応募することで、抽選で参加できるスペシャルトークイヴェントにはデーモン閣下と羽田圭介さんが登場。司会はブルボン小林です。さらに特別に、このエキレビインタビューに載せきれなかった未発表テキストを来場者にプレゼントする予定。「信者」ではない、初めてアルバム買うという方もお気軽に!)
(ブルボン小林)